「コスメデコルテ」“リポソーム”は大谷売れで大ヒット 百貨店スキンケア首位の秘密
美容好きマダムの間で口コミが広がる
発売当初はリポソームという技術があまりにも斬新だったため、店頭販売での反応は薄いものだった。しかし、美容好きが集まる化粧品専門店のマダムからは、その効果感が高い評価を受けたことで、“マダム売れ”を醸成。加えて、2000年代からはベストコスメを獲得し始めたことで、人から人へと口コミが広がり、それがロングセラーの礎となった。いまでは親子3代で愛用しているファミリーも多いという。
そんな長く愛されていた美容液を“リポソーム アドバンスト リペアセラム”として21年にリニューアルしたが、そのきっかけのひとつは大型放射光施設「SPring-8」での実験結果だった。「SPring-8」は太陽の100億倍もの明るさに達する放射光を使うことで、物質を原子・分子レベルで構造や機能を調べることができる世界最大規模の施設だ。この施設の研究技術を利用したところ、リポソームが肌上でラメラ構造そのものを形成することを確認。これにより、肌が本来もつバリア機能を補強する効果があることがわかり、これまで訴求していた保湿ケアの上をいく、エイジングケアをかなえることが可能になったのである。
この新たなエイジングケア効果と冒頭で述べた“大谷売れ”の相乗効果で、発売3年で売り上げは300万個を達成。それと同時に、国内百貨店のスキンケアの売り上げ個数としても1位を獲得*。ブランド史上最大のヒットを記録している。
マダムから娘へ、そして男性へと愛用者の輪を広げているリポソーム美容液は、今後、ブランドの多様性を語るうえでも強みになるだろう。
ー注釈ー ※Beaute Research調べ 2024年4月「日本 2024年第1四半期版レポート(Copyright ©2024 Beauté Research SAS)」における百貨店プレステージスキンケア市場の2021年10月~24年3月 売上金額ベース