最大会派・自民党県議団会長 知事と二人三脚で海外視察の意義をアピール 県民が知りたい詳細な費用と報告書は公開されず
RKB毎日放送
費用が多額で運用が不透明だという指摘が出ている福岡県議会の海外視察をめぐる問題です。 【写真で見る】福岡県議会の海外視察をめぐる問題 参加した議員は「費用」ではなく「成果」を見るように訴えていますが、費用の詳細などは明らかにされず、ルールを見直すための会合も突然非公開になるなど疑念は膨らむばかりです。 ■「費用を上回る効果、自負がある」と胸をはった県議 6月12日の福岡県議会。自民党県議団の会長は自ら代表質問に立ち、多額の公費を費やしてきた県議会の海外視察について胸をはりました。 自民党県議団 松尾統章 会長 「費用を上回る効果をもたらしてきたという自負があります」 「自負がある」と正当化した上で服部県知事に目的とその効果を質問。 知事が議員の海外視察の意義や効果を議場で説明するというやりとりが繰り広げられました。(詳細は後半に記載) その中で知事が成果の一つとして挙げたのが、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産への登録です。 ポーランドで開催されたユネスコの委員会をRKBも取材していましたが、国際会議という特殊な場で県議の活動が大きく影響したようには見えませんでした。 このほかにもラグビーワールドカップや九州国立博物館で開催された「台北故宮博物院」の福岡への誘致などが海外視察の成果として挙げられました。 この視察の報告書について議会事務局は「保存期間が過ぎていてあるかどうか分からない」と説明。 ■「湯水のごとくお金を使い視察する意味あるの?」と話す県議も 県議会の関係者は「成果と議員視察は関係ないのではないか」としていて、「湯水のごとくお金を使ってわざわざ視察をする意味があるのか」と話す県議会議員もいます。 ■海外視察の費用は当初予算の3倍に 昨年度、海外視察に費やした公費と派遣された議員の数が全国最多となった福岡県議会。 使われた公費は5年間で当初予算の3倍以上にのぼるおよそ2億8500万円でした。 ■報告書なし 費用の詳細も公開されず 視察の内容がわかる報告書や費用の詳細は公開されておらず、費用の上限や報告書の作成義務もありませんでした。