《二千円札が10万円の価値に》新紙幣の発行で“レア紙幣”への注目が集まる…コレクターに聞いた「集め方」と「見分け方」とは
推定10万円の価値がある「2000円券」
日本銀行によると、2004年(平成16年)に発行が開始された札は、発行開始当初は記番号を黒色で印刷。しかし記番号が一巡したため、2011年(平成23年)7月から一万円券については記番号を褐色で印刷した銀行券を、千円券については褐色での記番号を印刷、2019年(平成31年)3月からは紺色で記番号を印刷した銀行券を発行。 さらに五千円券については、識別性向上のための仕様変更に併せ、2014年(平成26年)5月から記番号を褐色で印刷した銀行券を発行しているという。 宝田さんは旧紙幣では何枚かレア紙幣を保有しており、一番価値が高いのが、「H 888888 M」の二千円券。 なんとその価値は推定10万円。本来の価値の50倍もあるのだ。ちなみのこの札は、埼玉りそな銀行小手指支店の窓口から両替して入手したという。 ほかにも、宝田さんは、推定価格の5万円の黒色印刷「R 555555 M」の五千円券。推定価格3万5000円の黒色印刷「V 654321 M」の五千円券。推定価格1万8000円の黒色印刷「T 012345 B」の千円券。推定価格2万2000円の褐色印刷「FG 888888 N」一万円券などを保有している。 これらもすべて、金融機関の両替機で両替して手に入れたものだ。 しかし宝田さんはいったいなぜ、紙幣を集めようと思ったのだろうか。 「紙幣コレクションを始めたきっかけは、当時、祖父の記念貨幣コレクションアルバムを見せてもらい、まず貨幣に興味を持ち、『日本貨幣カタログ』という本を購入したことですね。 それからまずは、発行枚数が少ない年号の現行のレア貨幣を金融機関で両替して狙いはじめました。両替に使えるお金が増えてくると、今度は珍番号と呼ばれるレアな紙幣を求めて、金融機関で両替していくようになりました」
全国各地で紙幣コレクターが誕生?
紙幣には前述したとおり、AAーAA券(一番初期の記号)、ゾロ目、キリ番、階段・逆階段、1番、といった特徴ある数字にプレミアがついていて、プレミア紙幣が誰にでもわかりやすい。さらにこまめに金融機関で両替し続けていれば、誰でもプレミア紙幣を獲得できるチャンスがある。 宝田さんは、そんなお手軽さがコレクションを続ける楽しさやモチベーションの維持になっていると明かし、「日常生活の中の小さな宝探しのような感じです」と、紙幣コレクションを表現する。 SNSなどを見ると、新紙幣の発行を機に、紙幣そのものに興味を持ち始める人が増えているようで、〈新紙幣全種貰って旧紙幣も取っておいて紙幣コレクションしたい!〉〈昨日新1000円札の本物みたんだけど、裏面の波がかっこよすぎて、トレカファイルみたいなの用意して新紙幣本気で集めてみようと思ってる〉〈価値があるか無いかはさておき、紙幣集めにハマったかも。お札が手元に渡る度に、ぜんぶ記号・番号を確認して、常にレア紙幣探してしまう〉といった声があがっている。宝田さんのような紙幣コレクターが今、日本に次々と誕生しているかもしれない。 「紙幣は誰にでも身近な存在で、プレミア紙幣も誰でもわかりやすいアルファベットや数字の並びですので、こまめに金融機関で両替し続けていれば、必ず珍番号を獲得できるチャンスがあります。少しでもプレミア紙幣に興味を持っていただけたら幸いです」 ちなみに、ピン札のほうがさらにレア度は高まるようなので、ピン札を手に入れた際はぜひ、番号を確認する癖をつけておこう。 取材・文/集英社オンライン編集部
集英社オンライン編集部
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