「年金月14万円・貯金0円」の71歳父、永眠…2年ぶりに「築60年の実家」を訪れた45歳長男、トイレのなかで発見した「絶叫もののブツ」【FPの助言】
遺品整理、実家の修繕・維持管理の事前対策
まずは、遺品整理についてです。裕一さんは、物が溢れた部屋で途方に暮れていましたが、このような状況を回避するためには、どうすればよいのでしょうか。 有効な対策のひとつとして、親子でエンディングノートや遺言書を作成して、遺品整理の方向性を明確にしておくことが推奨されます。これにより、家族は親の意思に基づいて行動できるようになります。 次に、老朽化した実家の修繕と、維持管理について。修繕には大きな費用がかかることが予想されますが、少しでも出費を減らす方法はないのでしょうか。 築古の家の維持には、定期的な点検が必要です。自治体や民間のサービスを活用し、専門家による家屋の診断を受けることで、大きな問題が発生する前に対策を講じることができます。特に水回りの修繕や耐震補強は、後々の負担を軽減するための重要なポイントといえるでしょう。事前にプロに見てもらうことで修繕の規模が小さくなり、結果的に修繕や維持管理のコストを減らすことができるのです。 また、遺品整理の専門業者を活用することも、時間や精神的な負担を軽減する有効な手段です。プロのサービスを利用することで、適切な仕分け・売却・廃棄の手続きを効率的に行うことができます。家族を失って精神的にも大変な時期に、こうした手続きを行うときに頼れる人がいるというのは、とても助かりますね。 本記事でご紹介した裕一さんのケースを教訓とし、いまからできる備えを進めておくことで、家族が直面する負担を軽減し、将来に備えることができます。家族の絆を大切にしながら、事前の準備をしておくことが、親世代とこども世代の双方にとって安心につながることでしょう。 波多 勇気 波多FP事務所 代表ファイナンシャルプランナー
波多 勇気