「なぜ手取りがこんなに少ないの?!」 FPが教える、給料明細で見るべき3つのポイント
【これはnoteに投稿された花輪陽子(シンガポール在住FP、経営者)さんによる記事です。】
新社会人の皆さんも多いでしょう。「額面と比べるとなぜこんなに手取りが少ないの?」-そんなふうに思われる方もいるかもしれません。そんな方は、振込額(手取額)だけではなく、毎月の給与明細を確認してみましょう。また、人によっては最初の初任給は15日分という場合もあります(15に締め、25日払いなどの場合)。給与明細で見るポイントは大きく次の3つです。
「勤怠」とは
「勤怠」は、「勤務日数」や「欠勤日数」「残業時間」「有給消化日数」などを示す欄です。残業時間などは間違いがないか確認をしましょう。
「支給」とは
「支給」は、会社から支給される報酬です。「基本給」に加えて、「役職手当」や「家族手当」「住宅手当」「通勤手当」「時間外手当」などから成り立ちます。 「給与の2.5カ月分」などのボーナスが夏期や冬期にある場合は、原則として「基本給」をベースに計算されます。そのため、基本給に加えて手当が上乗せされている人はボーナスが少なく感じるかもしれません。
額面よりなぜ手取りが低い?控除の正体
それから、「額面は結構あるのにどうして税金がこんなに引かれているんだろう?」と思っている人も多いかもしれませんね。その正体は「控除」です。基本給と手当など報酬から控除されているものは「税金」と「社会保険料」の2種類です。 特に社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料)は高額になるので内容を知っておきましょう。
厚生年金とは
厚生年金保険料は納めることにより将来年金として戻ってきます。しかし、給与明細をきちんと見ていないと、将来もらえる年金額が少なくなるということもありえます。少し前に「宙に浮いた年金記録」についてメディアなどで騒がれましたが、念のために事業主側の誤りがないか、給与明細とねんきん定期便や年金ネットで報酬額が正しく記録されているか付け合わせをすると安心です。 厚生年金保険料の自己負担分は9.15%です。総支給額にざっくりこの割合をかけて金額がかけ離れていないか確認をしてみましょう。厚生年金の場合、給与明細がないと将来もらえる年金額を正確に計算することがむずかしいです。ねんきん定期便や年金ネットで報酬額に誤りや漏れがないかをチェックするまでは給与明細を捨てずに保管しておきましょう。