龍をテーマにした商品の売り上げが急増 中国
【東方新報】辰年の春節(旧正月、Lunar New Year、今年は2月10日から17日)の到来はまもなくだが、龍の形をしたゴールドのジュエリーや、辰をあしらったゴールドのスマホシールなど、縁起の良い神話上の生き物をモチーフにした商品をめぐる消費者の熱狂はすでに感じられる。 eコマースプラットフォームの淘宝(タオバオ、Taobao)のデータによると、12月27日から1月2日にかけて、龍関連商品の検索数が640倍に急増した。なかでも、龍をかたどったゴールドジュエリーの検索数は500倍にも達している。 「龍は中国文化において権威と名誉の象徴とされている。宝飾品であり安全資産でもある金は、春節が近づくと特に歓迎される。龍の形をしたゴールド・ジュエリーを求めるバイヤーは、新年の幸運を願っているのです」と、高級ジュエリーブランドの周大生(Chow Tai Seng)のeコマース・セールスの副責任者は語った。 周大生のeコマース支店では、11月に龍をテーマにしたゴールドジュエリーの売り上げが大幅に急増し、前月の約2倍となる1000万元(約2億489万円)を超えた。 12月も売り上げは伸び続け、2024年の第1週には約500万元(約1億245万円)に達した。 同ブランドが新しく発売したエナメルで飾られたドラゴン型のペンダントはベストセラーとなり、赤いエナメルのバリエーションは12月に100万元(約2048万円)を超えた。 ゴールドはやや古めかしく、主に年配の人に人気があるという認識とは裏腹に、同社の統計によると、購入者の大半は00後(2000年代)の若者だという。 ドラゴンをテーマにしたゴールド・ジュエリーの販売ブームは一年を通して続くと予想され、その総量は他の動物をテーマにした商品を上回ると彼女は語った。 中国商務部国際貿易経済合作研究院電子商務研究院の洪勇(Hong Yong)副研究員は、「龍をテーマにしたゴールドジュエリーの他にも、伝統的な商品の可能性が新しいビジネスを生み出している」と語った。 「伝統文化のビジネスポテンシャルを引き出し、その遺産を活用するために、企業は製品デザインを革新し、デジタルマーケティングを採用し、サービスをカスタマイズする必要がある」と洪副研究員は語った。 世界的に有名なブランドも伝統文化を利用している。シュウウエムラ(Shu Uemura)は限定版の口紅を発売し、フィラ(FILA)は刺しゅう入りの龍のパーカーを発売し、上海ディズニーリゾート(Shanghai Disney Resort)は龍のぬいぐるみを製造した。 洪副研究員は、「他の年号を象徴する動物に比べ、龍をテーマにした商品の売り上げが比較的高いのは、中国文化における龍への畏敬の念が関係しているのかもしれない」と話す。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。