イギリスでローマ帝国時代の不思議な十二面体を発見…何に使われていたのかはわかっていない(海外)
アマチュアの考古学グループが、古代ローマ時代の別荘跡地の近くで謎の十二面体を発見した。 【全画像をみる】イギリスでローマ帝国時代の不思議な十二面体を発見…何に使われていたのかはわかっていない この十二面体が何のために作られたのかわかっていないが、さまざまな説が唱えられている。 複雑な細工が施されていることから、特注品で高価なものであった可能性が高い。 ロンドンから北に約160キロ、並木道の先に開けた空き地がある。そこには今から約1700年~2000年前のローマ時代に別荘が建っていたとされる。 ノートン・ディズニー歴史考古学グループ(Norton Disney History and Archaeology Group)のアマチュア考古学者たちは、数年前からここで公衆浴場や門塔、モザイクタイルの床などの遺跡を発掘してきたが2023年、ついに奇跡的な発見をした。12人のボランティアがこの別荘跡地から800メートルほど離れた畑を掘り返していたとき、叫び声が上がったのだ。同グループの幹事であるリチャード・パーカー(Richard Parker)がBusiness Insiderに語っている。 これまでにグループは、主に石組みや動物の骨、そしてたくさんの陶器を発見していた。しかし、ボランティアのリチャード・ワッツ(Richard Watts)が手にしていたのは、それらとは違う独特なものだった。 それはソフトボールサイズの小さな金属製の物体で、12面それぞれに穴が開いており、小さな突起で覆われていた。 「我々はすぐに、本当に重要なものを発見したことに気づいた」とパーカーは振り返る。グループのメンバーであるロブ・エバーシェド(Rob Evershed)は、ローマ帝国の遺跡から見つかる「十二面体」を実際に見たことはなかったが、この丸みを帯びて中が空洞になった物体がそれだろうと考えた。 発掘現場では、メンバー全員がスマートフォンでそれが何なのかを調べ始めた。次に何をすべきか考えている間、作業が止まってしまったとパーカーは述べている。 これまでに発見された十二面体は130個ほどしかない。最初は、1739年に東イングランドのハートフォードシャーで発見された。 最新の発見はこのグループによるものであり、イングランドのミッドランズ地方で十二面体が見つかったのは初めてのことだとBBCが報じている。BBCは2024年初め、考古学番組「Digging for Britain」でこの物体を特集した。また、イギリスのリンカン博物館が5月4日に開催した「リンカン歴史フェスティバル」で、この十二面体は初めて公開された。