都知事選の構図に異変 石丸氏が猛追、港区・渋谷区で支持率トップに 女傑たちは警戒…小池氏3選「楽勝」の展開はない
元経産官僚で制度アナリストの宇佐美典也氏は「民間の事業をどう止めて、どう補償するのかなど、できないことを言っているようにみえる」と指摘する。
選挙戦で主要候補はいずれも無所属で出馬している。
小池氏は政党の推薦や支援を求めず、政党に準じた選挙運動が可能な「確認団体」を設立し、自民党や公明党、都民ファーストの会の都議らが参加する形を取る。連合東京と国民民主党東京都連も小池氏の支持を決めた。
前出の荻原氏は「小池氏は子育て世代への現金給付を実施するなど現職の強みがあり、『政治とカネ』の問題を抱える自民党色を消したことも大きい」との見方を示す。
蓮舫氏は立憲民主党を離党し、同党は推薦や支持はせず、「支援」にとどめる。共産党、社民党の支援を受けるが、政党色を薄め、幅広い層への浸透を図る狙いだ。
一部情勢調査では、小池氏がリードし、蓮舫氏が追う展開で、石丸氏が猛追する。衆院東京7区(港区、渋谷区)エリアでは石丸氏がトップで、20歳以下の若者や50代の支持も高い。一部野党支持者の人気も集めているもようだ。
ある選挙アナリストは「石丸氏は蓮舫氏だけでなく小池氏の票も奪うだろう。自民党が石丸氏の応援でまとまっている地域もある。自民党は組織のグリップが効かなくなっている」と指摘する。
東京の有権者数は1100万人余りだ。前回の2020年の都知事選で366万票を獲得した小池氏だが、前出の選挙アナリストは今回は楽勝の展開ではないとして、現段階での票読みを披露した。
「投票率が50%強と仮定すると総投票数は約600万票だが、このうち7割の約420万票を小池氏と蓮舫氏が奪い合う展開ではないか。年齢の若い蓮舫氏に勢いがつく可能性もあるが、失言など〝オウンゴール〟が出る可能性もあるので予断を許さない。残り3割の約180万票から石丸氏ら他の候補がどれだけ獲得できるかの勝負だ」
一方、前出の宇佐美氏は「蓮舫氏は前回知事選(20年)で宇都宮健児氏が獲得した84万票を超えられるかが勝負どころだが、そこから伸ばしたとしても、共産党に拒否感を持つ有権者もおり、150万票程度を大きく上回るのは難しいだろう。石丸氏は前回、日本維新の会が推薦した小野泰輔氏が獲得した61万票を超えられるかが注目される」と指摘する。