衆院選福島3区・上杉謙太郎氏落選 自民県連の出馬要請受け、無所属も壁に首相ら為書き
自民党の派閥パーティー収入不記載事件で、自民系候補が公示直前に代わった福島3区は、立民前職の小熊慎司氏(56)が自民系無所属として急きょ出馬した前職、上杉謙太郎氏(49)を破った。上杉氏は自民党県連の全面支援を受けて戦ったが、有権者の理解は得られなかった。 同県会津若松市にある上杉氏の選挙事務所では、午後8時過ぎにテレビのニュース速報で小熊氏の当選確実が流れると、詰め掛けた支持者からため息がもれた。速報を見守った後、あいさつに立った上杉氏は「有権者の審判を謙虚にそして真摯に受け止めたい。結果がすべて。それ以上、申し上げるつもりはありません」と話し、自身に投票してくれた有権者には「申し訳ない気持ちでいっぱい」(上杉氏)とした。 当初、自民党の比例東北ブロックで出馬を準備していた上杉氏は、不記載事件に関係し立候補を断念。しかし、同事件で党の役職停止処分を受け非公認となり、3区から無所属で出馬予定だった前職の菅家一郎氏(69)が、今月12日に不出馬を表明。自民系候補不在の事態を避けたい同党県連が上杉氏に出馬を要請した。 今回、無所属で出馬した上杉氏だったが、選挙事務所には「自民党総裁・石破茂」「自民党選挙対策委員長・小泉進次郎」など、自民党関係者の為書きが並んでいた。その中には菅家氏の為書きもあった。(芹沢伸生)