「はんにゃ.」金田哲が「思い出したくもなかった」と語るブレークの裏側 「ダークサイドに落ちそうになった」
かつて「ズクダンズンブングンゲーム」などで一世を風靡したお笑いコンビ「はんにゃ.」の金田哲さん(38)。コンビ結成から数年しかたっていないにもかかわらず、2008年ごろから大ブレークを果たした。現在は大河ドラマに出演するなど俳優としての顔も持つ金田さんだが、お笑いでブレークした裏では「思い出したくもなかった」と話すほど、心身ともに疲弊していたという。やっと話せるようになったという知られざる「裏話」を語ってもらった。 【写真】超イケメン…かと思いきや「変顔」をしてくれた金田さん * * * 「渦中にいるときは、それが幸か不幸かなんて本当にわからないですよね」 人間万事塞翁が馬。お笑いコンビ「はんにゃ.」の金田哲さんの座右の銘だ。まさにこの言葉が象徴するような人生を歩んできた。 「18歳のとき、一旗揚げてやろうと田舎から上京してきて、当時は根拠のない自信だけがありました。いま思うと、とんだ勘違い野郎だったなと思います(笑)」 志村けんさん、とんねるず、ナインティナイン……テレビで活躍する芸人の姿に憧れ、愛知県田原市から東京にやってきた金田さん。2005年、川島章良(あきよし)さんとお笑いコンビ「はんにゃ.」(当時は「はんにゃ」)を結成した。 それから数年後、「エンタの神様」(日本テレビ系)や「爆笑レッドシアター」(フジテレビ系)などへの出演をきっかけに大ブレークを果たした。絶頂期だった08年から10年ごろには、一日に仕事を8~12本こなし、睡眠時間は2~3時間だったという。金田さんは当時をこう振り返る。
■実力がないのに前線に放り込まれた 「勢いと無知を強みにブレークしてしまったというか。フツーのあんちゃんが、22、23歳で憧れた人たちと番組で共演することができてしまった。内村(光良)さんとコント番組やったり、ナインティナインさんの『めちゃイケ』(『めちゃ×2イケてるッ!』、フジテレビ系)にも出させてもらいました。その他にも、CMや映画、ドラマへの出演、曲を出して音楽番組にも出ることができました。本当に運が良かったと思います」 プライベートでも、芸能界のスターたちと時間をともにすることができたという。 「岡村(隆史)さんと2人でおでん屋さんでお食事出来たり、志村さんともご一緒に飲ませていただいたことも忘れられません。コントやキャラクターの話をしたり、僕が当時やっていたネタを『やり続けなさい』って言っていただけたり。この数年で本当にいろんな経験をすることができました」 しかし、爆発的な人気の裏では、キャリアの浅さが露呈したこともあったという。「実力がないのに前線に放り込まれて、どの番組もうまくいきませんでした」と話す。 「ネタはウケていたし、評価もされていたと思います。けど、トーク番組とか平場だと全くウケなかったんです」 人気の絶頂期にあった金田さんは、当然、番組の華として中心に置かれることが多かった。その脇を固めるのは、有吉弘行さん、ブラックマヨネーズ、フットボールアワー、チュートリアル、バナナマンといった「刀を研ぎ続けてきた猛者たち」(金田さん)だった。 「大先輩たちと横並びで出されるのは、めちゃくちゃキツかったです。ネタはフレーズやテンポでウケるんですけど、平場だと人間力とか経験値が全てなんですよね。ベテランの方たちとは、人間としての分厚さが全然違うなと思いました。やっぱり自分の言葉は軽いし、薄っぺらかったんです」