昨年世界２位の網川来夢、今大会最高身長（１７１cm）を活かし優勝なるか

　10月5日（土）と6日（日）東京体育館にて、新極真会主催『第56回全日本空手道選手権大会』が開催される。 　男子が新エースを争う新世代闘争であるのに対して、女子トーナメントは絶対王者・鈴木未紘に勝てる選手は出てくるのかが、1番の見どころとなる。 　鈴木に続く実力者としてトーナメントのゼッケン1番を背負うのは昨年の世界選手権で準優勝で網川来夢（21＝新極真会福岡支部)だ。女子では身長171cmと今大会最長身。フィジカルのパワーアップと、得意の膝蹴りに、更に新たな蹴り技を磨き、優勝を狙う。 【フォト＆動画】高身長の網川の全身写真！世界女王グスタイタイテを破った動画も 　新極真会のトーナメントは戦績でシード位置が決まる。トーナメントの先頭である網川は、最後に入る鈴木の対抗と位置付けられていることになる。 　トーナメント出場の中では最長の171cmと最長身。その長身を生かしたヒザ蹴りが得意技だ。接近戦が多い女子の試合において、網川の至近距離から放たれるヒザは強力な武器。離れてはリーチのあるハイキックも放つ。 　長い手足のリーチと蹴り技を駆使し、昨年の第13回全世界空手道選手権大会では世界ウエイト制大会重量級世界チャンピオンのブリジタ・グスタイタイテを破って決勝に進出。決勝戦で鈴木に敗れたが、準優勝という結果を残した。 　今回の全日本は無差別級なので、一見、網川には有利に見えるが、軽量の選手に粘られると体重判定で負けてしまうという恐れがある。網川自身もその点を警戒する。「軽い選手の方が多いので、いかに粘らせないか、本戦で決めるかというのがポイントになってくると思います」 と語る。 　トーナメントの近い位置には世界ウエイト制大会中量級王者の冨村日花もいるため、油断はできない。 　またパーソナルトレーニングを取り入れてパワー面の強化にも努め、また新たな得意技としてヴァレリーキックを磨いている。「距離を詰めてくる選手との対戦で前蹴りやヒザ蹴りが使えない時のための技を増やしています」という。 　準決勝まで勝ち上がると、JFKOで敗れた目代結菜と当たる可能性が高い。「目代選手には是非勝ち上がってもらってリベンジを果たしたいと思っています」と準決勝での対戦に意気込んだ。 　それに勝つと、決勝ではやはり鈴木との対戦の可能性が高い。絶対王者の呼び声高い鈴木だが、試合内容的には延長、最終延長まで決着がつかない試合も多い。鈴木の気持ちの強さの表れでもあるが、決してチャンスがないとはいえないだろう。 「自分らしい組手でしっかり結果を出したいです。決勝戦は同門の藤原桃萌選手が勝ち上がって福岡支部同士の同門対決を実現したらベストですね」 　ゼッケン1番の重積を背負った網川は、絶対王者の連勝記録にストップをかけることができるか。