長崎3区、2候補が“がっぷり四つ” 衆院選・県内選挙区の終盤情勢(上)
衆院選の投開票は27日に迫った。長崎県内3選挙区の終盤情勢を紹介する。 3人が出馬した長崎3区は自民党前職、金子容三候補と立憲民主党元職、末次精一候補の「がっぷり四つ相撲」(陣営関係者)となっており、票の奪い合いが激化。両陣営とも終盤は大票田の佐世保市に注力する。 「佐世保が本当に厳しい」。金子候補は選挙戦中盤あたりから、個人演説会や街頭演説でこう口にする回数が増えた。「パーティーをしたことも、券を売ったこともない」と自身の関与がないことを強調するが党派閥の裏金事件はやはり逆風に。「特に佐世保の無党派層にはそっぽを向かれている感じだ。投票率が上がれば1年前の旧長崎4区補選の負けより差が開くかもしれない」と話す陣営関係者もおり、危機感を募らせる。 同市では本紙が報じた電話調査でも末次候補に水をあけられている。補選の一騎打ちを経て「苦杯をなめた佐世保でも勝つ」と臨んだものの、今や焦点は「佐世保以外の“貯金”対佐世保での“借金”の綱引きでいかに勝つか」(市議の一人)に移りつつある。 こうした見方は末次陣営も一致する。「佐世保で2万票の大差を付け、周辺市町の差をいかに縮められるかにかかっている」。陣営幹部は言う。 補選で佐世保市は856票上回ったが、周辺4市町は計約8千票負けた。末次候補はダブルスコアを付けられた平戸市などについて「感触はいい」と語るが、新たに加わる五島列島や東彼3町は保守が強い地域とされ「さらに差を広げられるのではないか」(労組関係者)との不安ものぞく。 報道各社の世論調査は「互角」「競る」と接戦を伝えるが、陣営関係者の肌感覚は「全然違う」と言う。「追い風は感じない。どこで支持が広がっているのか…」とかしげた首がなかなか戻らないという。 終盤戦、金子陣営は企業・団体回りの強化のほか、党幹部らが佐世保入りし、組織固めを図る。末次陣営は情勢を見て方針転換。佐世保の街頭演説を増やし無党派層の取り込みを狙う。 日本維新の会新人の井上翔一朗候補は党本部から「街頭演説を打ちまくれ」とハッパをかけられており、住宅街などで支持を訴えている。