「コンビニ弁当は高すぎる」「庶民アピールはどうなのか」…。平沢勝栄氏がランチ風景を投稿して批判殺到、一体なぜなのか?
いずれの投稿にも、平沢氏に対してと同様に、批判のリプライが多数寄せられている。また先日は、れいわ新選組の山本太郎代表(参院議員)が、新幹線車内と思われる場所で「うなぎ弁当」を食べている画像も拡散され、話題になった。 ■「公僕は清貧であるべきだ」といった価値観 もっとも、政治家の食事が炎上するのは、今に始まった話ではない。 例えば、民主党政権時代の2012年10月、安倍晋三氏が新たな自民党総裁に就任した。その総裁選当日に、安倍陣営がゲン担ぎとして食べたカツカレーが話題となった。メディア各社は「3500円のカツカレー」と報じ、ワイドショーでは「庶民感覚から外れた高級カレー」との批判も出た。
当時の自民党は野党だったが、次期総選挙での政権復帰が予想されていた。どちらかと言えば、自民に歓迎ムードが出ている時期でも、それなりのバッシングが起きた。安倍氏はその数カ月後、首相へ返り咲いて、長期政権を樹立する。なお、この総裁選で次点だったのが、先日就任した石破茂首相だ。 安倍氏の後任である菅義偉氏も、「ニューオータニのパンケーキ」がやり玉に挙げられた。官房長官時代からパンケーキ好きで知られ、首相就任後にも注目を集めたが、1食2800円(税別、別途サービス料)とあって、政権批判の文脈に用いられた。
ここまで見てきたように、政治家の食事は、批判の的になりがちだ。その背景には、有権者の中で「国会議員は特権階級である」、もしくは「公僕は清貧であるべきだ」といった価値観が根強いことが考えられる。 政治には常にダーティーなイメージが付きまとう。最近では、旧統一教会問題や政治資金不記載問題などで、有権者の1票が「より強い何か」で覆されるのではといった懸念が強まっている。 振り返れば1990年代初頭の政治改革も、リクルート事件や東京佐川急便事件といった政治家の汚職が背景にあった。それでもなお変化せず、甘い蜜をすすっている印象が、国民の多くにあるのは間違いない。