長年の推し 宮藤官九郎さんのサイン会に当選。『木更津キャッツアイ』以来ずっと追い続けている。果たして思いを伝えられるのか?
◆実は20年ぶりの再会 実は20年前、私は出版社勤務時代に宮藤さんと少しだけお仕事をご一緒している。担当した俳優の写真集のオビの文言を書いてもらったのだ。彼に見本用のゲラを届けて、文言を受け取り、社内賞を取る写真集に仕上げた。完成時、テレビ局のスタッフの計らいで、宮藤さんとご挨拶もできた。 当時、宮藤さんが脚本を書いた『木更津キャッツアイ日本シリーズ』の撮影現場に入った。新人の私は映画の現場に入ることこそ初めて。でも熱気あふれる様子に感化され、今でもどっぷり出版業界に身を置いている。 後に自分の文章をあちこちで使ってもらうようになり、文筆で生計を立てることになるとは思ってもみなかった。いずれにしても、仕事が継続できているのは彼が書いた脚本がきっかけ。もし出会っていなかったら、私はまったく別の仕事へ転職していたかもしれない。 そんなこんなで20年ぶりの推しとの再会(?)は、2024年の大きな思い出となった。いつか私も紀伊国屋書店でスタッフでも客でもなく、ゲストとして呼ばれる日が来ることを願いながら、 (いや~、でも私じゃ集客はしないだろうなあ) とひとりツッコミをして、今日も自著の企画を練っている。
小林久乃