再放送が絶好調すぎる『踊る大捜査線』 劇場版新作に込められた往年のファンのための〝仕掛け〟
試写会はわずか2回だけという〝戦略〟
織田裕二(56)が主演を務めたフジテレビ系のドラマ『踊る大捜査線』シリーズの劇場版2部作の前編『室井慎次 敗れざる者』が10月11日に、後編の『室井慎次 生き続ける者』が11月15日に連続公開される。両作品は柳葉敏郎(63)が演じる人気キャラクター・室井慎次を主人公に描いている。『踊る─』シリーズの新作は’12年の『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来となる。 【どうして?】おでこしか見えていないけど…映画のティザービジュアル別バーション 両作のスタッフ陣は、『踊る─』シリーズを支えたプロデュースの亀山千広氏、脚本の君塚良一氏、監督の本広克行氏らが再結集。そして、室井役の柳葉のほか、新城賢太郎役の筧利夫(62)、沖田仁美役の真矢ミキ(60)らおなじみのキャストに加え、福本莉子(23)、齋藤潤(17)、松下洸平(37)ら新たなキャストも出演している。 「公開前の試写会はわずかに2回だけで、完成披露試写会などは行いませんでした。劇場での予告編や、公開直前のフジテレビ系の短時間の特番で徐々に作品の内容が明らかになっていますが、試写会を最小限にとどめたのは〝ネタバレ〟を防ぐためと、集客を上積みするための戦略でしょう」(映画業界関係者) 公開に先駆けてフジ系では平日昼にドラマ版、土曜日午後9時からの『土曜プレミアム』の枠で劇場版を再放送した。ドラマ版の最終回は午後2時48分からの放送だったが、9月23日の祝日の放送ということもあってか平均世帯視聴率が4.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を記録。同局の同時間帯の中では飛び抜けた高視聴率を記録した。 ◆フジテレビでも高まる期待 また、劇場版は9月28日に放送された1998年公開の劇場版第1作『踊る大捜査線 THE MOVIE』が視聴率9.7%を記録。興行収入173.5億で、現在でも実写邦画では歴代1位の座に輝いている『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(’03年公開)も10月5日に放送され、9.8%を記録した。いずれも、同局の同日放送の番組でダントツの1位を記録し、根強い人気ぶりをうかがわせたのだ。 「現在、土日のGP帯(ゴールデン・プライム帯、午後7~11時)の番組の世帯視聴率がとりわけ苦戦続きのフジですが、まさか、『踊る』の過去の劇場版がここまで人気だとは上層部も思わなかったのではないでしょうか。 月9は前クールで『海のはじまり』が少し健闘しましたが、それ以前は月9をはじめとしてほぼ全滅状態でした。それもあってか『ルパンの娘』(’21年)、『ラジエーションハウス』(’22年)、『イチケイのカラス』(’23年)など、自社のドラマを次々と映画化しているものの、近年では『コードブルー』以来人気シリーズを生み出せていません。 そんなフジとしては、『踊る─』はまさにとっておきの切り札。この反響の良さに、いわば社運をかけた映画事業である『室井慎次』の2部作に期待は高まるばかりでしょう」(テレビ局関係者) とくに往年の『踊る─』シリーズのファンにとっては10月11日の公開が待ち遠しいことだろう。そして、映画にはさらにそんなファンたちを魅了するような〝仕掛け〟もストーリーの中に仕込まれているという。 ◆往年のファンを魅了する〝仕掛け〟とは 「今作のキーマンは劇場版で小泉今日子さん(58)が演じた猟奇殺人犯・日向真奈美の娘で、福本さんが演じる日向杏です。小泉さんは第1作でのエキセントリックな演技が新境地として注目されました。歯列矯正具のついた歯を剝き出して不気味にニヤッと笑うその姿は、今回の地上波放送でも話題になっていました。さらに日向真奈美は第3作でも黒幕として再登場するなど、劇場版シリーズには欠かせない〝名悪役〟的な存在だったのです。 シリーズのファンにとって、過去の作品に縁のあるストーリーは感動を増幅させます。今作は公開前にストーリーの全貌が明らかになっていないだけに、大いに反響を呼ぶのではないでしょうか」(映画担当記者) ’05年に公開された『容疑者 室井慎次』は、シリーズのスピンオフ作品にもかかわらず、興行収入38.3億円のヒット作となった。今回『踊る─』シリーズ最新作となる『室井慎次』はフジテレビにとって〝新たなる希望〟となるかが注目される。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://twitter.com/FRIDAY_twit
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