「止める」ではなく「保管する」。愛するクルマを完ぺきに守る、隅々までこだわったガレージハウス|旧車の棲むガレージ
【愛するクルマを完ぺきに守る隅々までこだわったガレージハウス】 埼玉県のとある新興住宅地にある2棟の建物が、今回紹介するオーナーのガレージで、住宅街の角地で敷地面積432平米の恵まれた環境に建っている。 【画像17枚】ガレージハウス側は4台、張力構造によって天井を支え、柱のない広々とした空間となっている第2ガレージは6台収蔵が可能 2棟のガレージは、2階に居住スペースを持ち4台が収蔵できる第1ガレージが6年前、第1ガレージの奥側に6台分の収蔵スペースを持つ第2ガレージが3年前に建てられたものだ。 昭和40年代の高度成長期を学生と過ごしたオーナーは、折からの自動車ブームを横目で眺め、いつか自分もお気に入りのクルマを、と思いながら70年代、80年代は仕事に打ち込む毎日が続いたという。 オーナーが、趣味としてクルマの存在をはっきりと意識したのが89年にデビューしたユーノス・ロードスターで、迷わずディーラーにオーダーを入れたという。その記念すべき1台が、今回紹介しているシルバーメタリックのNAロードスターである。
思い出のNAロードスターが収まるガレージ
以後、「趣味のクルマ」は加速度的に発展していく。オーナーの魅力的なところは、クルマに対して新旧や洋の東西といった線引きをせず、気に入ったもの、よいと感じたものを素直に受け入れている点にある。今回紹介するガレージには、現在7台のクルマが保管されているが、それぞれのクルマに関連性はまったくない。疋野さんが、気に入ったクルマ、よいと感じたクルマを手に入れ、ガレージに収めている状態だ。 さて、こうしてカーライフも台数的に充実してくると、次に行き当たる問題が保管方法、すなわちガレージの問題だが、最初、オーナーはレンタルガレージの借用から始めたという。 「自分のガレージを持つにしても、どうやって作ったらいいかまるで分からない。まずはレンタルガレージを使ってみて、その経験を元に自分のガレージに生かそう」と考えたという。 これの経緯を聞くと面白いのだが、所詮レンタルガレージは貸し出し用。自身のクルマを保管しようと考えた場合、すべての面において不満足だったという。ガレージとしての使い勝手の悪さも感じていた。 「要するに、雨風をしのげればそれで十分。レンタルガレージの成立条件ってこれでよかったんですね」