ビットコイン投資、現物ETFか直接保有か
直接保有
ビットコインを直接保有する場合、特にキャピタルゲインとキャピタルロスをめぐって、異なる税務上の考慮が必要となる。税務上の取り扱いは複雑で時間がかかる場合があり、レポートや計算について特定の規則がある。 一方で、直接保有することで、投資家はキャピタルゲインとキャピタルロスを直接管理でき、税務戦略を最適化できる可能性がある。だが、税務申告は複雑で負担が大きく、慎重なコンプライアンスが求められ、多くの場合、税務の専門家や取引を追跡するソフトウェアを活用することになる。税務の専門家と緊密に連携して、コンプライアンスを確保し、税金面での結果を最適化する必要があるだろう。
機関投資家向けプラットフォームの利用
自己管理の複雑さを避けて、ビットコインの直接保有を求める投資家には、暗号資産を管理するアドバイザーを通した機関投資家向けプラットフォームが現実的な代替手段を提供し、ETFと直接保有の双方のメリットを提供できる可能性もある。 これらのプラットフォームは、ETFと同様に専門的な管理を提供するが、直接保有という、もうひとつの利点もある。信託、IRA(Individual Retirement Accounts:個人退職勘定)、法人口座など、様々なタイプの口座でビットコインを保有することは、資産管理や税務プランニングを容易にし、ハードウォレットでビットコインを保有する場合には利用が少し難しいタイプの口座にもより柔軟性を持たせることができる。 しかし、この利便性には代償が伴う。これらの機関投資家向けプラットフォームは、オフラインのウォレットで保有するビットコインを保護するためにコールドストレージの料金を請求することが多く、セキュリティレイヤーが追加されることと同時に全体的なコストも増加する。
結論
現物ETFと直接購入のどちらを選ぶかには、双方のメリット・デメリットを比較検討し、ビットコインへのエクスポージャーに関して、何が最も重要かを決める必要がある。そして多くの場合、それはまさに「エクスポージャー」に集約される。 一部の投資家にとっては、エクスポージャーで十分であり、その場合、ETFが最良の選択肢となるかもしれない。エクスポージャーを簡単に、素早く得ることができるからだ。 ビットコインを直接保有することが最も重要と考える投資家もいるだろう。その場合、セルフカストディに対応できるだけの知識を持っているかどうか、または機関投資家向けプラットフォームによるカストディとそれに伴うすべてのメリットに対して追加の手数料を支払うことが自分にとって最善であるかどうかを判断する必要がある。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:Crypto for Advisors: Bitcoin ETF vs Direct Ownership
CoinDesk Japan 編集部