四国36万戸で一時停電 潮流急増で本州と四国の需給バランスに影響 四国電力送配電が見解
9日午後8時20分ごろ、四国4県で大規模な停電が発生した。最大で約36万5300戸に上り、徳島県内では徳島市や藍住町など14市町で最大約11万1400戸が停電した。四国電力送配電によると、同9時50分ごろにほぼ全域で復旧した。 四電送配電によると、停電が発生したのは徳島市で約4万1600戸、藍住町約1万7800戸、北島町約8900戸、松茂町約7100戸、板野町約7千戸、美馬市約5100戸など。 四電送配電によると、本州と四国で電力を融通する「本四連系線」が同日午後2時20分ごろに事故で停止。さらに何らかの原因で「阿南紀北直流幹線」(阿南市と和歌山県を結ぶ海底ケーブル)で本州への送電量が急増する事態が発生し、需給バランスが崩れたことが原因とみている。 徳島市内では、同市中徳島町2の国道などの信号機が滅灯。県警によると、徳島中央署員が主要交差点で交通整理に当たったが、目立った渋滞はなかった。他の6署管内でも交差点などの信号機が一時消えた。 藍住町でも信号機のほか、街灯やコンビニなどの店舗も一時停電した。自宅が約40分間停電したという同町東中富の公務員(59)は「突然電気が消え、周辺は真っ暗となった。こんなに長時間の停電は初めて」と驚いた様子だった。 四電送配電によると、他の3県では愛媛約11万1900戸、高知約7万9500戸、香川約6万2500戸で停電が起きた。 四電は「伊方原発3号機(愛媛県伊方町)を含め、四電の発電所のトラブルは確認されていない」としている。 四電送配電はX(旧ツイッター)の公式アカウントで午後8時56分に「皆さまにご迷惑・ご不便をおかけしますことをおわび申し上げます」などと投稿した。 JR四国によると、停電で照明が消えた駅が複数あったが順次復旧し、列車の運行に影響はなかった。 西日本高速道路の管制センターによると、四国の高速道路の一部区間で電灯が消えるなどした。料金所のETCは予備の発電機を備えており、トラブルはなかったという。 <21時時点の徳島県内の停電エリア:四国4県で大規模停電、徳島県は最大で11万超>