クルミの殻を園芸に ロータスガーデン(酒田)販売、脱臭や調湿効果
酒田市の生花店「Lotus Garden(ロータス ガーデン)」(畠山秀樹代表)が、県内で排出され廃棄されるクルミの殻を活用した商品開発に取り組んでいる。2022年に土の表面を覆うマルチング材の販売を開始し、今年は県内で加工した炭の商品もラインナップに加えた。クルミの殻ならではの機能性とかわいらしい形状を生かしてブランド価値を高め、全国に販路を広げる。 畠山代表(57)は県内食品事業者を通じ、クルミの殻が大量に廃棄されていることを知った。活用法を相談され、庭や鉢植えなどに敷くウッドチップの代わりとして使えないかと考えた。商品化の際はカビ防止のため、廃棄段階で殻に残っている実の一部を取り除く作業が必要になる。クルミの殻は、最終的には土に返るが適度な油分を含んでいるため劣化が遅く、マルチング材としては長持ちする。踏むと音がするため、玄関周辺や駐車スペースなどに防犯用として敷くことも提案している。
販売に当たっては、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献などの社会的意義を楽しく発信することを考えた。「クルミを食べるリスたちが、自分たちが排出する殻をリサイクルして森を豊かにする」というストーリーをつくってブランディングし、「森のクルミン」「庭のクルミン」という商品名をつけた。現在は園芸資材メーカーなどを通じ全国で販売される。 今年7月には、より付加価値を高めた商品として、クルミの殻を炭にした「炭のクルミン」を米沢地方森林組合(米沢市)と連携して開発。脱臭や調湿などの機能性とかわいらしい形状を押し出し、雑貨や土産物として販売している。 現在使用しているクルミの殻は年間で約1トン。排出状況によって難しい時期もあるが、できるだけ県内で出るクルミを使っていく方針という。畠山代表は「ナチュラルなものを好む人は多くなっている。県内企業などと連携しながらSDGsを進めたい」と話している。