日本精鉱、金属粉工場の増築完了。鉄合金粉末の溶解能力7割増・早期量産目指す
日本精鉱は今月中旬、茨城県内で進めている金属粉工場の増築工事が完了する。電子部品向け鉄合金粉末の生産ラインが1ライン増え、2ラインになり、溶解能力が7割高くなる。完了後間もなく試運転を始め、早期の量産体制構築を図る。 増築工事は連結子会社である日本アトマイズ加工(本社・千葉県野田市、社長・坂東二郎氏)のつくば工場(茨城県牛久市)で行っており、計画通りに工事が進んでいる。 能力増強の対象である電子部品向け鉄合金粉末は電気製品の中で電圧制御やノイズ除去などの役割を担うパワーインダクタ向けがメインで、通信の高速大容量化や自動車の電動化などにより需要が拡大するとみられる。 日本精鉱は「今後、電動車に人工知能(AI)などの技術が導入され、情報取得と娯楽体験の一体サービスやシステム(インフォテインメント)が普及すると予想される。家電や通信機器分野では第5世代移動通信システム(5G)の技術も導入される。これらの高機能化により電子部品の役割は拡大し、電圧変換に必要なパワーインダクタ需要は高まるだろう」と期待を寄せる。