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新千歳の「JAL機緊急脱出」に潜むさまざまな危険 重要なCAの役回り

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 今回のケースでもCAは、保安要員の役割りをまっとうするべく、乗客の荷物携行は断固阻止しなければならなかった。 (3)の機外避難は、航空機火災の場合、引火性の高い航空燃料を大量に搭載しているので「脱出後はできるだけ早く遠くへ避難する」のがセオリー。乗客は、いち早く安全距離まで避難すべきだったし、空港関係者も避難乗客を安全距離まで退避させるべきだった。  こうした乗客の行動についてエアラインは、快適な空の旅や、運賃の安さを競う前に、啓発を進める必要がある。

大空の“華”より「安全」

 CAは“大空の華”なのだろうか? CAの航空法上の位置付けは保安要員で、次のような3つの役割がある。 (1)旅客を安全に目的地に届けるための保安要員 (2)旅客が機内で快適に過ごすためのサービス要員 (3)機内での怪我・病気に対するファーストエイド要員  実態は、(2)のサービス業務、“大空の華”的役割がほとんどを占めている印象が強いが、(1)の保安業務がCAの最大の存在理由だ。したがって、CAにはハイジャックや機内火災などに対応した訓練が行われている。  「9.11同時多発テロ」以降、空港のセキュリティ強化が進み、機内にスカイマーシャルや屈強な乗員を配置するエアラインも現れてきている。最近のアメリカ系のエアラインでは、CAに中年の屈強な男性が目立つ。サービスはテキパキと的確で早い。笑顔も絶やさない。何より、体力がありそうなので物事を頼みやすい。万一、ハイジャッカ―が現れても蹴散らしてくれそうで頼もしい。“大空の華”もいいが「大空の安全」が大事である。

危険極まりない「機内火災」

 今回のケースでも、機内の異臭と煙が発端となっているが、パイロットが最も恐れるのは機内火災である。飛行中は機外に避難できず、鎮火しない限り、致命的になりやすい。 (1)煙は著しく乗員(クルー)の能力を低下させる。たとえスイッチ1個がショートしても煙が発生し、視界を奪い、煙の成分が確実に乗員の判断力と生命を危機に陥れる (2)消火が困難。機体構造上、火元に容易に接近できにくい。(最近の旅客機は小型発電機を多く積み、電気火災の可能性が非常に高まっている) (3)急速に延焼が広がり、状況が悪化する などが機内火災の特徴で、いったん火災が発生すると重大な事態を引き起こしやすい。  乗員はフライトの前ごとに、マニュアル読み上げ、消火器、スモークゴーグル、酸素ボトルの搭載位置、使用可能かどうかを確認する。もちろん非常脱出用スライド、非常脱出システムと火煙報知機システムなどのチェックもルーティンワークとして行っている。  飛行前の安全設備チェックは、緊急手順を思い出す良い機会で、これらのチェックで乗員の安全意識が高められている。安全設備の種類や搭載場所は機種や客室仕様で異なっているので、担当機種の機内ポジションの飛行前の安全設備チェックは特に重要だ。

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