札幌戦で移籍後初ゴールを狙う小野

　28日に札幌市内で行った最終調整。軽めのメニューで終わった全体練習後、小野は最後までピッチに残り、びっしょりと汗をかいて入念にシュートの感触を確かめた。 　チームは前節の広島戦で13試合連続得点となり、J1では07年の12試合を抜いて歴代最長を更新した。それでも勝ち切れていない現状にもどかしさを感じる。「やりたいサッカーはできている。ただ、ここ3試合は勝ち点が1ずつしか取れてない。もっと自分たちに求めていかないといけない」。 　それは自分にも向けた言葉でもある。後半36分から出場した広島戦。アディショナルタイムにMF奥村のパスに抜け出してペナルティーエリア内で絶好機を迎えた。少し足元に入ったがトラップは完璧。最初はファーサイドを狙おうとしたもののDF佐々木のスライディングが目に入り、ニアサイドの上に切り替えたがシュートは枠を外した。 　「ああいうチャンスは1試合に何回も来るものではない。自分が決めていれば、勝ち点1を3にできたというのが悔しい」。反省はしつつも、頭はもう札幌戦に切り替えている。最下位の札幌とは勝ち点差は11あるが順位は近い。「勝ち点3以上の価値があるゲーム。しっかり取って上に食らいついていきたい」と気合いを入れる。 　痛めていた左太腿裏も回復し、もう心配はない。中2日のアウェー連戦という厳しい日程だからこそ一丸で乗り切る覚悟だ。「中2日で出る選手はきついと思うけれど、ケガ人が多い中で頑張ってくれている。帰ってきた僕らが上に連れていけるようにしたい」。自らのゴールで4試合ぶりの白星をたぐり寄せる。　（西巻　賢介） 　○…古巣との対戦になるDF堀米主将は、成長した姿を見せようと意気込んでいる。4月の今季ホーム戦と昨季の2試合はケガで欠場。出場すれば新潟に加入した17年の9月以来となる。「楽しみにしているが、あまり引っ張られ過ぎず平常心で臨みたい」とほほ笑む。札幌市出身で試合には家族、親戚ら十数人が会場に駆けつける予定。地元の応援も受けてピッチで躍動する。