ユーザー急増のSNS「Bluesky」が、AI学習にコンテンツを利用しないと明言 Xの規約改定騒動を横目に
SNS「Bluesky」が11月16日、「コンテンツを生成AIの学習に使用せず、今後も使用するつもりはない」との声明を発表した。 ブロック機能を変更したX(旧Twitter) この声明は、Blueskyの公式アカウントを通じてなされたもの。 AI学習を巡っては15日、Xの規約が改定。Xに投稿された画像がAI学習に利用されるのではないか、との懸念が広がっていた(後述するが誤解も多く含まれている)。
ブロックの仕様変更や規約改定でユーザーが移行するSNS事情
BlueskyはTwitter(現X)の元共同創業者であるジャック・ドーシーさんが発起人となり、2023年にサービスの提供を開始したSNS。 Xと同様の基本的な機能に加え、ホーム画面のカスタマイズ機能や、有志の作成した検索条件をワンボタンで利用できるフィード機能などが搭載されている。 Blueskyは10月19日にも、2日間でユーザー数が120万人以上増加し、総ユーザー数が1200万人を突破。 その直前の17日には、Xのブロック機能を利用しても投稿が閲覧できるようになる仕様変更が発表され、SNS間でのユーザー流出/流入に影響したと考えられる。 11月5日のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプさんが当選してから、Blueskyには連日10万人以上の新規ユーザーが流入しているとBluesky開発チームは報告。背景には、XのCTOをつとめるイーロン・マスクさんがトランプ陣営に多額の献金を行い、政権入りすると目されていることへの反発がある。 加えて、現在大きな騒動となっているXの規約改定の前後でも、Blueskyはユーザーを増大。11月14日に総ユーザー数が1500万人を突破しており、今回の声明でも冒頭で「成長は鈍化していない」と言及している。
Blueskyへの移行でもAI学習への懸念は残る
ただし、Bluesky移行の背景には、Xの規約改定への誤解も含まれているようだ。 11月15日のXの規約改定を受けて投稿作品などがAI学習されることへの懸念が広まったが、Xでは2023年9月から、プライバシーポリシーにはAI学習への使用が明記されている。 このため、以前からユーザーの投稿はAI学習の対象であり、今回はそれが規約として明文化されたものと考えられる。 A number of artists and creators have made their home on Bluesky, and we hear their concerns with other platforms training on their data. We do not use any of your content to train generative AI, and have no intention of doing so. - Bluesky (@bsky.app) 2024年11月16日 2:17 また、Bluesky側の声明も、Bluesky自身は生成AI学習に使用しないとしたに留まり、AI学習のクローリングといった他の事業者による生成AI学習利用への懸念自体は残る。 今回のX規約改定を巡って、AI学習への利用を懸念した漫画出版社やイラストレーターを中心に投稿の削除、別SNSやイラストサイトへ移行する動きが活発に。一方で、移行先のAI学習の取り扱いについて誤解をしたまま移行しているケースも多く見られるのが現状だ。 また、Xでのイラスト投稿については、企業や個人がウォーターマークの表記やAI学習への阻害加工を施した上での投稿するとの声明を発表するなど、騒動が広がっている。
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