心理カウンセラーが説く「ネガティブ思考」と「住まい」の密接な関係
毎日視界に入るインテリアは、自己肯定感にも大きな影響を与えます。日々をポジティブに過ごすために気を遣うべき「住環境の整え方」を、心理カウンセラーの中島輝さんが解説します。 ※本稿は、中島輝著『自己肯定感を高めるインテリアブック』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
自己肯定感は幸せに生きる力
最初に少し、自己肯定感についてお話ししましょう。自己肯定感というと難しい感じがしますが、自分は自分のままでいいと受け入れている感覚のことです。自己肯定感が高いというのは、どんなことがあっても自分に「YES! OK!」と言える状態です。 このように言える人は自分を信じる気持ちが根底にある人。周囲からどう思われていても気になりませんし、他人に注意されても落ち込まず、自分はもっと成長できる! と前向きにとらえることができます。 物事がうまくいかなかったり失敗をしたりすると、誰もが「自分はダメな人間だな」と凹みますが、自己肯定感が高いと、たとえそのような感情を抱いたとしても、その思いに押しつぶされることはありません。立ち直りが早いのです。自己肯定感が高いほど生きやすく、幸せに生きていくことができるんですね。 逆に、自己肯定感が低い場合は、ささいなことで「自分はダメな人間だ」「自分には価値がない」という認識に陥りがち。いつも他人と自分を比べたり、他人の目を気にしたりしているので、心はヘトヘト状態です。そして、自分の人生を悲観的にとらえるようになります。これでは毎日が楽しいはずはありません。 本稿を読んでいる方の中には、私は自己肯定感が低いほうかも......と思っている人がいるかもしれません。 自分のSNSにつく「いいね」が気になって仕方がない、嫌だ、つらい、疲れたといったネガティブな言葉をつい発してしまう、恋人がいないと不安になってしまう、毎日が忙しく健康や美容にあまり興味が持てない、他人が思い通りに動いてくれないとイライラする、一度決めたことに迷うことが多々ある、新しいことにトライしたいと思っても、どうせ自分にはできないと勝手に限界を決めてしまっている、鏡を見るといつも自分の欠点を探してしまっている、などなど。 こうした状態がいつも出ている、強く出てしまうといったとき、あなたの自己肯定感は低くなっている可能性大です。 でも、安心してください。生まれつき自己肯定感が低いという人はいません! また、自己肯定感はさまざまな要因によって浮き沈みのあるもの。毎日ゆらいでいるということも知っておいてください。 自己肯定感が低いと思い込んでいる人でも、ちょっとしたことがきっかけで、自己肯定感は簡単に上げることができるんです。みなさんに言いたいのは、大人になってからでも、自己肯定感はいくらでも高めることができるということです。 自己肯定感は簡単に高くなったり低くなったりします。それは自己肯定感=心というのはさまざまな要因から影響を受けるからです。その要因を大きく分けると、人間関係を含めた周囲の環境、体調や自律神経の状態、気候や季節といった外的な要因、といったものです。 人からしかられれば凹んで自信をなくしますし、体調が悪いと心も弱くなります。また、雨の日は気分が落ち込んで気分の切り替えができずに不安になったり......このように自己肯定感との関係を知っておけば、自己肯定感が低いからといって必要以上に悩むことなく、適切な対処ができます。 住居空間やインテリアも自己肯定感に影響する環境のひとつです。少し考えてみてください。たとえば、部屋の中が汚かったり、散らかって足の踏み場もない状態だったら? 家に帰りたくなくなりますよね。 また、たとえ人気のソファーを買っても、自分にはしっくりこなかったら、家にいても居心地は悪いですよね。こうした嫌悪感やちょっとした違和感を覚えると、掃除が不得手な自分が悪い......、何でこんなソファーを選んじゃったのかな、ダメな私......といった気持ちに。 これが毎日続けば、自信喪失や自己否定につながり、自己肯定感は徐々にダウン。ですから、住まいを自分が心地よく感じるきれいな環境にしておくことが大切なんです。 \自己肯定感は、幸せに生きるためのエネルギー源!/ 自己肯定感が低くネガティブな感情を放置していると自分はダメな人間→どうせできない→行動できない→成功体験が積めない→ダメ人間......と負のループへまっしぐら。自己肯定感の浮き沈みは誰にでもあることです。自己肯定感を高い状態に保てば、その浮き沈みも小さくなります。