定率制で積立投資をしているのですが、収入が上がると積立額も上がって、なんだか損をしている気分になります。定率制のメリットはなんですか?
将来の安定や夢の実現に向けて資産形成を実践することは、長期的な未来への投資といえます。 投資における資産運用の3つのポイントは、「長期」「継続」「分散」といわれています。新NISAも盛り上がりiDeCoも浸透し始めた今、この3つのポイントはメディアなどの特集でもよく取り上げられています。 今回は「長期」メリットをよりいっそう活用することについてお伝えます。特に若い世代にとってはメリットのあるお話です。
はじめに~資産運用はどのように始める?~
「いつ」「どのように」資産運用を始めるか、悩む人もいるでしょう。特に給与所得者にとって積立投資は、手軽に始められる資産運用の手段の1つです。資産運用を開始するタイミングとして、「いつ」は『今(できるだけ早く)』、「どのように」は『積立投資』が選択肢となります。 積立投資をしている方は、投資額をどのように決めますか?iDeCoの場合は月額5000円からですが、新NISAでは月額100円、金融機関によっては1円から始められます。 「資産運用に不安があるけど興味はある」という方は「少額からスタート!」も選択肢の1つです。資産運用の方法として、積み立ての額を「定額制」と「定率制」の2つのアプローチで比較、そのメリット、習慣化の重要性、そして投資との組み合わせについてお伝えします。
定額制の限界
定額制積立のアプローチは、毎月一定額を積み立てていく方法です。この方法の最大の魅力はそのシンプルさにあります。毎月同じ金額を積み立てることで、資産運用における最初の一歩を踏み出すことができるかもしれません。 しかし、この方法を続けるとチャンスを失っている場合があるのです。収入が増加しても積立額を固定しているため、その増加分を資産運用に生かすことができないということがあります。 つまり、収入の増加に伴う資産形成能力の向上を反映させることが難しいのです。
定率制の利点
一方で、給与の一定割合を積み立てる「定率制」は、収入の増加に応じて積立額を増やすため、より効果的な資産形成が期待できます。この方法では、収入が上がれば積立額も比例して増えるため、時間とともに資産をより早く増やすことができる可能性があります。 もちろん、定額積立にもメリットはあります。積立額が一定であることは支出計画が立てやすく、加えて給与収入の増加分を消費支出等にまわすことができます。 この点においては給与定率積立の場合、定額積立ほどに直接的に収入増が実感できないかもしれません。しかし、「実感できないお金」は消えてなくなっているわけではありません。そのお金は別の財布に入っているだけです。 他にも、定額積立は「あまり意識しなくとも継続積立できる」という点も大きなメリットです。 一方で定率積立は、昇給(収入増)の都度、積立額の見直しが必要となってきますので、そういった意味では少し面倒だと感じる人もいらっしゃるかもしれません。しかし、見直しをルール化(習慣化)させることは、資産形成が生活に密着したものであるという大きな意味も含まれているのです。