年1万冊刊行されるビジネス書、本当に学びになる「名著」とは...人間関係から成長促進までシーン別に解説
7つの習慣とは、「主体的である」「終わりを思い描くことから始める」「最優先事項を優先する」「Win-Winを考える」「まず理解に徹し、そして理解される」「シナジーを創り出す」「刃を研ぐ」のこと。これらの習慣を心がけることで、対応範囲を広げられるはずです。完訳版の本書は2013年に刊行されましたが、その言葉は今も決して古びることはありません。 新たな習慣を身につけるうえで役立つのは、『「後回し」にしない技術』(イ・ミンギュ著、文響社)。実行力を発揮するプロセスを「決心」「実行」「維持」の3つに分けて、具体的な処方箋が紹介されています。「先延ばしの神」に抗い、新たな行動を習慣にしたい方にうってつけです。 (例2)上司や同僚とのコミュニケーションに悩んだとき 上司や部下、同僚などとのコミュニケーションを円滑にしたいときのおすすめは、『人は話し方が9割』(永松茂久著、すばる舎)。2022年にビジネス書部門で史上初の3年連続1位(日販調べ)に輝いた大ロングセラーです。 本を開くと、「『また会いたい』と思われる人の話し方」「人に嫌われない話し方」など、興味深い章が続きます。相手の意見に対する否定禁止、笑顔でうなずく、など、基本的なのに忘れがちなコツが満載。これらをおさえれば、「あの人がいると明るい空気になる」と思ってもらえること請け合いです。 また、組織内の軋轢に悩んでいる際には、『他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論』(宇田川元一著、NewsPicksパブリッシング)がおすすめです。ビジネスの現場でこじれたままの問題は、互いの「ナラティヴ」の間に溝があることで生まれているケースが多いといいます。ナラティヴとは、立場・役割・専門性によって生まれる「解釈の枠組み」のこと。本書から、対話によってナラティヴの溝に橋を架ける再現性の高いメソッドを学べば、「わかりあえなさ」を解消していけるでしょう。 (例3)視野を広げて、自分のものさしを磨きたいとき 視野を広げて自分なりの判断のものさしを磨きたいときのおすすめの名著は、『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著、日経BP)です。 世界は分断され、物騒になっているように見える。しかし、実は基本的にどんどんよくなっている。10の思い込みから解放されれば、癒やされ、世界を正しく見るスキルが身につく──。これが本書の要旨です。読めば「自分のものさし」が磨かれ、冷静に意思決定する力を養えるでしょう。 また、自分のものさしを磨くためには、「自分にとっての本質」の理解が大切です。『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン著、かんき出版)を読めば、本当に大事な選択肢を見極める技術を学べます。 ■効果的に「ビジネス書の名著」に出合うための方法 では、「ビジネス書の名著」と効果的に出合うにはどうするとよいでしょうか。ここでは3つの方法をお届けします。 1つめの方法は、「自分なりの探究テーマを持つ」ことです。キャリアやビジネスに直結するテーマだけでなく、哲学、歴史、アート、AIといった関心領域を言語化してみましょう。そのうえで書店で気になった本を手に取ると、自分に合った「ビジネス書の名著」に出合いやすくなります。 2つめの方法は、「過去に影響を受けた本を読み直す」ことです。同じ本でも、経験を積んだ今だからこそ得られる気づきがあります。業務内容や役職が変わったタイミングで読み返してみるとよいでしょう。 3つめの方法は、「上司や同僚、憧れの人のおすすめ」を参考にすることです。指針にしたい人の推薦書籍には目を通すとよいでしょう。新聞や 雑誌の書評コーナー、本を紹介する番組・動画・サイトも参考になります。「100分de名著」は特に古典との出合いを深めてくれます。本の要約サービスflier編集部の著書『必読ベストセラーを超要約! ビジネス書大全』(新潮社)も、選書のガイドブックの一選択肢として活用していただけたら嬉しいです。 こうした方法を通じて、本記事を読まれた方が「心の拠りどころになる本」「背中を押してくれる本」と出合い、仕事や人生に活かしていただけるよう願ってやみません。 <flier編集部> 本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。 通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されており、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。 このほか、オンライン読書コミュニティ「flier book labo」の運営など、フライヤーはビジネスパーソンの学びを応援しています。