親子2代で甲子園出場 広陵の沢田哉斗選手 父純樹さんが果たせなかった勝利届ける
21日、甲子園球場であった選抜高校野球大会で、広陵(広島)の沢田哉斗(かなと)選手(17)が父純樹さん(37)=大阪府岸和田市=と親子2代で広陵のユニホームを着て甲子園の土を踏んだ。「7番・左翼手」で先発し、父が果たせなかった1勝に貢献。「緊張した。(ここでプレーした)父はすごいなと思った」と喜びをかみしめた。 沢田選手と父純樹さんの写真 小学1年から野球を始めた哉斗選手は、父が出場した2004年の選抜大会の映像を見て育った。大舞台で1安打を放った父に憧れ、同じ広陵へ進学。「自主練習の時間が大事」という教えを素直に守って、こつこつと努力。昨秋、定位置をつかんだ。 純樹さんは大阪府岸和田市の中学を卒業後、甲子園の夢を追って広陵へ進学した。卒業後は地元に戻って就職。19歳で哉斗さんが生まれた。「若くてお金がなくて大変だったけど、一緒に夢を追ってきた」。練習に寄り添い、自分と同じ「右投げ左打ち」に育てた。 この日、一塁側スタンドから応援した純樹さんは「自分がプレーしたときより緊張した。勝つ瞬間を見られてよかった」と感無量の様子。無安打に終わった哉斗選手は「少しは、恩返しができたと思う。2回戦こそ、安打を打って父に並びたい」。父と夢見た大舞台での時間を少しでも長く送るつもりだ。
中国新聞社