ついに全車種が出荷再開。ダイハツがもくろむ「再起のシナリオ」とは?
トヨタ、ダイハツ、スズキが共同開発していたその軽商用EVは、不正問題の影響で販売は未定となっているのだが、実はダイハツには隠し玉がある。 「昨年10月に開催されたJMS(ジャパンモビリティショー)2023にダイハツは軽EVを4車種出展しています。具体的には商用軽EVのユニフォームカーゴ&トラック。そして、軽オープンEVのオサンポと乗用軽EVのミーモです。その出来栄えの良さに早期の市販化を予想する専門家もいました」(自動車誌幹部) ■復活の象徴はビジョンコペン!? ダイハツ復活のアイコンとなるのは軽EVなのか? 前出の自動車誌幹部はこう語る。 「反転攻勢の嚆矢は、昨夏、フルチェンを受ける予定だった新型ムーヴになると思います。ただし、"復活のアイコン"にふさわしいのは、JMSに出展されたビジョンコペンではないでしょうか。倒産寸前の日産をV字回復へ導いたアイコンは、2002年に登場したフェアレディZです。スポーツカーの持つ力は大きいと思いますね」 確かにJMSのダイハツブースのど真ん中に置かれたビジョンコペンは圧倒的な存在感を放ち、観客を魅了していた。コンセプトカーというよりも、開発中の車両という感じの見た目でもあった。それが証拠に、ビジョンコペンについてJMSで話を聞いたダイハツ関係者はやる気満々でこう語っていた。 「ダイハツが現在取り組んでいる"モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり"の知見を生かし、走る喜びを追求しました。また、海外での販売も視野に入れています」 実はダイハツ、意外にもモータースポーツ活動に積極的で、GRコペンをベースにした車両でラリージャパンなどにも参戦している。 「ビジョンコペンは、1.3Lの後輪駆動です。軽のコペンよりモータースポーツを楽しんでいただけると思います」(ダイハツ関係者) 自業自得とはいえ、逆風の船出となった新生ダイハツ。消費者の信頼を取り戻し、V字回復となるか注視したい。 取材・文/週プレ自動車班 撮影/望月浩彦 写真提供/トヨタ自動車 ダイハツ工業