ハンサム上司&ツンデレ部下の一挙一動がかわいくて癒される! リーマン鑑賞コメディ【書評】
特に日向に対しては、主人公である淡月の「そういうところがずるいんだよなあ…」という気持ちに、大きく共感できる読者もきっと多いことでしょう。現実にもたまにいますよね。上からも下からも慕われ、なにかあっても「あいつだから仕方ないな…」って許されちゃう、そんな愛されキャラな人。
また物語には当然彼らだけでなく、ふたりを取り巻く同僚や上司、部下も登場します。彼らとの会話ややりとりを経て、ふたりの新たな一面に気づけるのも見どころのひとつです。 飄々としたテキトーな性格ながらもちょっぴり面倒くさい一面のある営業部・嵯峨野と、その真面目さゆえに、淡月同様たびたび日向に振り回された経験もある経理部・逢坂。同期である日向含めた上司組三人のドタバタに、淡月は巻き込まれることもしばしば。 そして直属の後輩となる営業部の新人・新倉もまた、タイプとしては日向に近い人懐っこさを持つ人物です。心を許した周囲の知人にはぐいぐい絡むことも多いため、上司である日向と仲良さげな一幕を見て、淡月が嫉妬…なんてことも。
そんな賑やかな周囲の面々ですが、やはり彼らから見ても、上司・日向と部下・淡月の組み合わせには、普通とは少し違う仲の良さを感じている様子。 単純にラブと形容するにはほど遠い、けれどよくある上司部下の繋がりを飛び越えた、ちょっぴり特別な関係を構築するふたり。そんな彼らのオフィスでの日常に、あなたも癒されてみては? 文=ネゴト / 曽我美なつめ