「フェラーリは経費にできますよね?」→税務調査官「認められません」…否認されないための3つのポイント【税理士の助言】
法人名義で高級車を購入する際は、「リセールバリュー」を意識
法人名義でフェラーリを購入する際の注意点については、以下が挙げられます。 ・決算期と納車時期のタイミングも考慮する ・リセールバリューを意識する ・事業内容に適した車を購入する それぞれの注意点について解説していきます。 決算期と納車時期のタイミングも考慮する 法人名義でフェラーリを購入する際には、決算期と納車時期のタイミングを考慮するようにしましょう。 減価償却は、年単位ではなく月単位で計算され、その分が経費として計上されます。また、減価償却の対象となるのは、車両が実際に納車されて事業で使用された日からです。たとえば、会計年度の初めに車が納車された場合は、1年間(12ヵ月分)の減価償却費を経費として計上することができます。 しかし、3月決算の法人が2月に車両を受け取った場合、その年度に経費として計上できるのは2ヵ月分のみとなります。 このように、自動車を法人名義で購入する際には、決算期と納車のタイミングを十分に考慮することが重要です。 リセールバリューを意識する 法人名義で車を購入する際は、リセールバリューが高い車を選ぶことが重要です。リセールバリューが高い車を選ぶことで、車を高値で売却できるので、手元に多くの資金を残すことができます。 また、資産価値が高いため、万が一の際にも十分な備えができたり、次回の車購入に多くの資金を回すことが可能です。 具体的に、リセールバリューが高い車には以下の特徴があります。 ・国内外で人気があり、需要が高いこと ・納期が長く、手に入れるのが難しいこと ・生産台数が限られている希少なモデルであること ・ボディーカラーが白や黒など、汎用性が高い色であること フェラーリがリセールバリューが高いのはもちろん、国内車ではアルファードやランドクルーザーなどが挙げられます。法人名義で車を購入する場合は、将来的に売却することを見越し、しっかりと戦略を立てておくようにしましょう。 事業内容に適した車を購入する 法人名義でフェラーリを購入する際には、事業内容に適しているか確認することも重要です。具体的に事業内容に適しているかどうかの確認項目として、以下が挙げられます。 ・その車が事業運営に本当に必要かどうか ・事業とプライベートの利用がしっかり区別されているか ・車の購入額が事業の利益に見合った適切なものであるかどうか 上記の項目を証明するためには、客観的な資料を残しておくことが重要です。 経費として処理する以上、税務署は事業との関連性や必要性、費用の妥当性について厳しく確認します。万が一、購入したフェラーリが事業内容に適していないと判断されてしまうと、経費として認められないリスクもあるので注意が必要です。 松本 崇宏 税理士法人松本 代表税理士 お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。 税理士法人松本 税務調査特化税理士法人として全国6ヵ所(渋谷、錦糸町、新宿、横浜、柏、大阪)にオフィスを構え、“成功報酬型”税務調査サポートを提供する税理士事務所では国内No.1の規模を誇る。国税局に勤めていた、いわゆる「国税OB」が複数名所属。税務調査相談実績は累計1,000件以上。一般業種より税務調査が厳しいと言われる風俗業界の税務に10年以上特化し、追加徴税額ゼロ円の実績も多数。
松本 崇宏,税理士法人松本
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