細田守監督、最新作『果てしなきスカーレット』は「世界的なとある古典」がモチーフ
壇上には本作のヒントとなるティザービジュアルが紹介され、細田監督は「今まで作品を作るたびに新しいチャレンジをしてきた。一作ごとに壁を乗り越えようと頑張ってきたんです。今回も壁というか、見た目の感じをアニメーションという技法を使いながらも過去の作品を超えたものにしたいと思っている」とアニメ技法に新趣向を凝らした作品となることを明言。「以前から実験を積み重ね、いわゆるセルアニメでも、ハリウッド的なCGアニメでもない“ルック”を目指した、アニメーションの可能性を広げる作品にしたい」と意気込み、「アニメーションの見方が浸透していく中、今までの型を続けるという考えでなく、もっと先に進んでいかなければならないという時代になってきた」とそこにこだわる理由も紹介した。 ヒロイン像については「今回の映画は今までで一番ハードで困難な作品。これくらい背筋の伸びた主人公像が必要だと思った。そんな彼女と旅をすることで、何か希望を見出すものにしたいと考えています」と述べ、「テーマも(過去の作品と比べ)一番大きなテーマになった。世界の人々の心にある普遍的なテーマをこの映画で表現したい」としみじみとコメント。「生と死みたいなものにも踏み込む大きなテーマになります」と作品の構想、方向性を語っていた。(取材・文:名鹿祥史)