離れた場所にいても、プリンターさえあれば同じ食卓を囲める⁉︎【3Dプリンター最新事情】
建築や食品、スポーツなど、幅広い業界で進化し続ける3D技術。資源活用の家具や新しい食の形まで、ホットなニュースをお届け。
サウナーに朗報 印刷物の中で“ととのう”
2024年1月、高知県芸西村に誕生する宿泊施設「ナミテラス芸西」。日本で初めて建設用3Dプリンターで製造されたフィンランド式サウナを併設するという!洞窟をイメージした内装は、天井から差し込む自然光と間接照明によってリラックス空間に。 印刷物ならではの波のような積層模様を活用したデザインの壁も。水風呂が併設されているほか、屋上のウッドデッキでは、海を眺めながらのびのびと外気浴ができる。 ●サウナメランジュ 住所: 高知県高知市安芸郡芸西村西分乙59-2 営業時間: 6:00~10:00・15:00~22:00 電話番号: 070-4433-2859 *宿泊者のみ利用可
まるで転送ケーキ!味を共有できる時代に
お互いに離れた場所にいても、プリンターさえあれば同じ食卓を囲める。そんな夢のような機械「Mimetic Food System」をByte Bites社が開発した。デジタルデータから遠隔で食品を出力でき、見た目や味まで再現する。 先日、開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」では、モンブランやショートケーキ、ガトーショコラなど、全6種類のスイーツが振る舞われた。とろみのある液体で形成する必要があるため、ベースはホイップクリームとじゃがいものペースト。そこに、本物の料理の風味や食感に近づけるために、自動で材料を調合する仕組みだ。
洗練された家具で畳ばなれを解決!
デザインラボラトリー 「HONOKA」が、日本の伝統を次世代に伝えたいという思いから始めた「TATAMI ReFAB PROJECT」。使い終えた畳を粉末状にし、生分解性プラスチックとブレンド。独自に複合素材を生みだした。それを原料に、透明感のある緑の椅子や机、花瓶などを制作している。 青々とした色合いはそのままに、工芸品からヒントを得たデザインは、モダンでありながらも懐かしさが同居。現代のインテリアにもなじむよう配慮されたプロダクトがそろっている。現在は、イグサ特有のよい香りや質感をさらに活かす研究を続けているとのこと。
空気が抜けない魔法のバスケットボール
〈ウイルソン〉が発表したのは、画期的な「3D エアレス プロトタイプ バスケットボール」。よく見ると…穴だらけ!?表面に小さな六角形のホールを蜂の巣状に配し、空気が自由に循環する仕組み。そのためパンクもしないので廃棄削減も。驚きなのは、従来品と同程度のバウンス(弾み)を再現していること。 また、オリジナル配合した1種類の素材のみで製造できるため、プロセスの簡素化も実現した。受注生産により必要な分だけ印刷。そして、各国の工場にデータを共有するため、将来的には輸送費がかからなくなる予定。とことん環境に配慮されている。 Text_Nico Araki, GINZA
GINZA