「オバマ政権が盗聴」トランプ大統領が突然の“爆弾”ツイート
トランプ大統領が、4日に新たな「爆弾」を投下した。これまでもツイッターで特定のメディアや企業を攻撃してきたが、今度の標的はオバマ前大統領。昨年の大統領選挙の期間中にオバマ大統領の命令でトランプタワーに盗聴器が仕掛けられ、会話が盗み聞きされていたというショッキングな内容だ。「誤報」の発信が相次ぐトランプ政権だが、現時点ではツイートの根拠や情報源を示していない。もし事実でなかった場合、前大統領を名指しで盗聴の首謀者と呼ぶことは誤報ではすまされない話だ。 【写真】フェイクニュース批判のトランプ政権から相次ぐ「誤報」発信
トランプ政権は議会に調査を要請
トランプ大統領は4日早朝、滞在先のフロリダ州でツイッターを更新し、昨年の大統領選期間中にオバマ大統領がトランプタワーに盗聴器を仕掛け、トランプ氏の電話の会話内容を盗聴していたと訴えた。7回にわたって投稿されたツイートの中で、トランプ氏はオバマ大統領がトランプ氏の盗聴を命じたと主張したが、トランプ氏本人もホワイトハウスも盗聴に関する具体的な根拠については一切言及していない。現職大統領が前大統領をこのような形で非難するのも前代未聞だが、ホワイトハウスのスパイサー報道官は5日、「前政権による捜査権の乱用が存在したのかについて、連邦議会に調査を求めているところだ」とコメントしている。 トランプ大統領がツイートを行う前日の3日には、右翼系ネットメディア「ブライトバート・ニュース」が、弁護士で保守系ラジオ番組の司会者としても知られるマーク・ラビン氏の発言を大々的に報じていた。ラビン氏は、「盗聴行為はトランプ氏に対するオバマ氏の静かなクーデター行為であり、議会は調査を行うべき」と発言した。ブライトバートはオルタナ右翼と呼ばれる人々の間で大きな影響力を持つメディアだが、会長を務めるのはトランプ政権で主席戦略官に抜擢されたスティーブン・バノン氏だ。 トランプ氏の突然のツイートには共和党議員ですらも困惑を隠せず、上院情報委員会のメンバーでもあるマルコ・ルビオ議員は「発言の裏付けとなる証拠をこれまでに目にしたことすらない」と語った。民主党のナンシー・ペロシ下院議長はCNNの番組内で「トランプ氏の主張は、分断を狙った典型的な戦術です」とトランプ陣営を批判している。