山あいの中学校で「町営塾」スタート・愛知県東栄町 学習環境のハンデ解消を
今後効果の検証へ 他学年保護者からの参加希望や、関係者から期待の声も
東栄町は今後、受講生やその保護者を対象としたアンケートを行い、塾の効果を検証していく考えだ。すでに他学年の生徒の保護者からも、子どもの受講を希望する声も届いていることから、実施方法や回数の増加も検討して、来年度以降も町営塾を続ける方針だという。 この取り組みについて、東栄町出身でこの地域の学校教育に詳しい元小学校校長、夏目聡さん(64)=新城市=は「これまで町内の子どもたちが塾に通うとなれば、親が頑張って車で送り迎えをして都市部の塾に行くか、残念ながらあきらめるかの選択しかなかった。子どもの学習のために都市部へ引っ越すケースもあり、都市部と山間部の教育環境の格差は明らか」と指摘。「昔から東栄町に住んでいる人ではなく、都市部の塾でノウハウを身につけた現役世代が東栄町内で学習支援をするというのはこれまでにないこと。これで地域の問題が全面解決する、とまではいかないだろうが、新しい試みの効果を確かめつつ、子どもたちのためになる取り組みに育てていけばいいのでは」と期待感を示した。 (取材・文・撮影:斉藤理/MOTIVA)