横浜"一強"を脅かすシュウマイの注目エリア【みんなが知らない、シュウマイの実力】
②大阪府大阪市 横浜一強の影響から関東の印象が強いシュウマイですが、関西にも独自文化があり、特に大阪の中心地である難波、本町、天満エリアなどは、実はシュウマイの名店がひしめくエリアです。 老舗系で言えば、関西方面のお土産の定番のひとつ「551蓬莱」のシュウマイ。豚まん(東京でいう肉まん)が代表的ですが、実は毎日同じぐらいの数のシュウマイが製造販売され、地元大阪でも豚まん派とシュウマイ派に分かれるそうです。 基本の肉シュウマイは、大振りジューシー系ながら価格もリーズナブル。豚まんしか食べたことのないの方は、ぜひ味わって欲しいです。 もうひとつは難波の「一芳亭」。地元では、551よりもこちらを大阪を代表するソウルシュウマイと推す声が多い印象です。 特徴は豚とエビ、玉ねぎが練り込まれた具材が薄皮卵で包まれ、その優しい甘さと旨味のコントラストは、中華の王道シュウマイとも違う、幸せな気持ちにしてくれます。ちなみに、私はこれを「幸せの黄色いシュウマイ」と呼んでいます。 一方、前出の渋谷「第七世代」のようなニュースタイルも続々登場。「焼売酒場なかめ」のように多店舗展開する「だるま焼売」のほか、難波の「大阪焼売珍」、天満の「シュウマイ天国」が誕生。しかもシュウマイ自体の質も高く、個性もある、非常に楽しみなエリアです。 ③栃木県鹿沼市 横浜はもちろん、渋谷や大阪と違い、鹿沼市はシュウマイを町おこしの食材として取り上げた、全国的にも珍しいエリアです。 崎陽軒の初代社長の出身地が鹿沼市であることをきっかけに、崎陽軒のバックアップのもと、シュウマイで町おこしを開始。2021年9月、JR鹿沼駅前に「シウマイ像」が完成したことを皮切りに、市内の飲食店やスーパーなどでオリジナルシュウマイを開発。現在60店舗以上でシュウマイが提供され、今でも増加中のようです。 ちなみに、餃子の町・宇都宮市に隣接していることから、「シウマイ餃子ライン」というバスも運行。餃子ファンをも取り込む意気込みは、ある意味、自己主張が苦手?なシュウマイらしからぬアグレッシブさで、横浜と肩を並べるシュウマイのまちになりうる可能性があると、個人的に期待しています。 と、今回は3箇所を紹介しましたが、他にも"ポスト横浜"となりうるポテンシャルを持つエリアはあります。それはまた、別の機会に。 文・写真/シュウマイ潤