【どうすればプロテニス選手になれる? 第2回】ジュニアからプロになるまでの大まかな道筋は?│後編<SMASH>
錦織圭などの活躍以降、「テニス選手になりたい!」「子どもをテニス選手にさせたい!」と考えているジュニアや親が多くなりました。しかし、根本的な問題として、どうすればテニス選手になれるのでしょうか?前回に引き続きプロになるまでの大まかな流れを紹介します。解説は、プロとしてツアーを回り、引退後はMTSテニスアリーナ三鷹を運営しながらコーチとして選手を指導している増田健太郎氏です。 【画像】錦織、伊達も!日本人トッププロたちの“懐かしジュニア時代”の秘蔵写真をお届け! ◆ ◆ ◆ 18歳以下のタイトルは取らなくてはいけない 中学時代をテニス一色で過ごし、次の決断は高校進学です。現在は海外遠征45日ルールもなくなりましたが、そのルールができた頃から、プ口を目指すジュニアたちは通信制の高校を選ぶようになっています。 「高校に行きながらでもプロになることは十分に可能です。現在は通信制というもっと良い道ができたということです。ただし、そのリスクも認識しておいてください。日中にテニスができる環境がない場合、高校生で日中に時間が空いてしまうと、良からぬ楽しいことに傾いてテニスに集中できない場合も出てきます。通信制を選ぶ場合は環境も整えた方がいいですね」 17歳、18歳になってくると、とうとうプロ転向時期を迎えます。ここまで順調にITFジュニアランキングを上げて、その年代のトップを駆け上がっていたとして、何をしていくといいのでしょうか? 「本当にプロになりたいのであれば、最後の18歳以下の大会は、厳しい言い方すれば、タイトルを取らなくてはいけません。プロになった後、親がいつまでも支援できるようなレベルではないのでスポンサーが付いてくれないと活動できません。ジュニアの時にタイトルを取っておかないとスポンサー獲得は困難です。だから、16歳~18歳はそのレベルに上げておくことが大切になります」 ジュニア大会か一般大会かで悩む時期 ちょうどこの時期は、ジュニアの大会に出るのか、一般の大人の大会に挑戦してみるかと迷う時期でもあると思いますが、どちらがいいとかありますか? 「移行時期なので、うまくスケジューリングできるのであれば、両方経験していいと思います。1つのやり方ですが、グランドスラムJr.には参加できるように活動して、それ以外は一般のITFツアーに出場するというのもありでしょう」 「あとは2通りのタイプがいて、16歳ぐらいからジュニアの大会は出ずにプロの大会ばかりに出る、もう1つはITFジュニアランキングを上げるためにジュニアの大会を回る。後者はランキングを上げてスポンサー契約を取りたいわけです。どちらがいいというものはありません。成功した方がいいという結果論です。この年代になってくると本人の意思も出てくると思いますし、経済的な状況と合わせて考えていけばいいと思います」 皆さん、プロになる道筋が見えてきましたか? 次回からは各段階について、もっと詳しく紹介していきます。 取材・文●スマッシュ編集部 ※スマッシュ2017年7月号から抜粋・再編集