酸化アルミニウム価格が過去最高、輸入依存の中国アルミメーカーが窮地に
アルミナ価格の上昇は落ち着く気配はない
モルガン・スタンレーは、ボーキサイトの供給はこれまで十分に調査されておらず、ギニアからの輸出の一部停止により「ギニアへの依存度が高まっていることが浮き彫りになっている」と指摘している。 ■鉱石グレードの低下 中国国内のボーキサイト採掘産業は、鉱石のグレードの低下に加え、オーストラリアの供給が影響を受けているように、安全面や環境面での規制強化の圧力を受けている。 「このため、何らかの変更がない限り、ギニアが今後もボーキサイトの主要な供給源となる」とモルガン・スタンレーは指摘する。「中国のボーキサイトの輸入総量は過去最高となっており、ギニアは現在、中国が輸入するボーキサイトの70%を占めている」とも説明した。 シティによると、上海先物取引所のアルミナ先物が日中取引で最高値の1トン当たり645ドルを記録するなど、アルミナ価格の上昇は落ち着く気配はないという。 シティは「ギニアのボーキサイト供給に対する懸念から、アルミナとアルミニウムの価格は6年ぶりの高水準に達している」と指摘。アルミニウム製錬所の多くは、アルミナ供給を長期契約しているため価格上昇の影響を受けずに済んでいるという。 アルミニウム製造プロセスの3段階のバランスをとることは難しく、多くの電気を消費する製錬と精錬の段階で問題が発生することが多い。 ボーキサイトの採掘は、ボーキサイトが地表近くにあるため製造プロセスの中で最も単純で、めったに問題は起こらない。 だが今日起きていることは、環境面での規制の強化や、輸入原料の1国への依存がアルミニウムのサプライチェーンに新たなリスクをもたらしているという警告とななっている。
Tim Treadgold