北海道・阿寒湖チュウルイ湾 マリモ半数破損 水温上昇など影響か 釧路市教委が初調査
【阿寒湖温泉】国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」が生息する阿寒湖(釧路市)北部のチュウルイ湾で、球状マリモ計900個のうち、約57%の個体に亀裂が入るなど、破損が確認されたことが、釧路市教委の調査で分かった。同湾では近年、生息環境の悪化が懸念されており、市教委が5~8月に大規模な調査を初めて実施した。水温上昇などの影響とみられ、市教委は環境改善に取り組む方針。 【動画】サロマ湖 氷上にアザラシの群れ 愛らしい姿を観察 市教委が18日、札幌市内で開いた研究者でつくる「マリモ科学委員会」の会合で報告した。調査は採取しやすい小型(直径2~10センチ)を対象とし、9地点の計900個を無作為で採取した。 このうち、夏の水温が23~24度に上昇した3地点では破損個体が8割を占め、19~20度の2地点では3~4割だった。阿寒湖のマリモは、糸状の細い藻が集まって球状になり、水温が上昇するほど表層が薄くなって壊れやすいとされる。 同湾のマリモ生息域の水温は、1988年夏に23度ほどだったが、今年7月には27度まで上昇した。また、マリモ分布面積は2023年に7450平方メートルで、1997年と比べて4割減になっている。