ボディサイドのデカールは新車当時のままのプレリュード「燃料タンクがダメで不動車だったんですが、今では問題なく走れます」
大きな成功を収めた後継モデルに埋もれた初代。しかし、新設計シャシーによる高い走行性能や日本初の装備などクルマとしての内容はホンダらしい情熱と工夫に満ち、新たな時代の到来を予感させるものだった。 【画像24枚】モデルチェンジによって進化を続けた初代プレリュードの最終型。ホンダマチックは80年4月のエンジン改良に合わせて2速からオーバードライブ付き3速に変更。通常走行は★(スター)レンジ、高速走行時はOD(オーバードライブ)と使い分けることで、燃費性能を向上 【1982年式 ホンダ プレリュード XXR】 この個体は取材当時、群馬県前橋市のショップ店頭に並んでいたもの。2016年2月のノスタルジック2デイズの会場で多くの来場者の目を奪っていたので、ご存じの読者もいるだろう。 同店代表は、「燃料タンクがダメで不動車だったんです。でも、フルオリジナルで、外装も内装もビックリするくらいコンディションが良くて。それだけで引き取りました。もちろんタンクは修理して、今はまったく問題なく走れます」と入庫の経緯を話す。 福嶋さんも驚くほどの状態の良さは、写真からも十分伝わると思うが、内外装ともにクリーニングをした程度だという。これほどの個体はお宝に近い。 歴史を振り返ると、初代プレリュードは2代目や3代目のように一時代を築いたとは言えない。だからこそ現存する個体が少なく、しかもフルオリジナルとなれば希少性は抜群に高い。80年代という新たな時代の幕開けを感じさせた初代プレリュード。改めて評価されてもいいのではないだろうか。 主要諸元 Specifications 1982年式 ホンダ プレリュード XXR 全長×全幅×全高(mm) 4090×1635×1290 ホイールベース(mm) 2320 トレッド前/後(mm) 1400/1410 車両重量(kg) 950 エンジン型式 EK型 エンジン種類 直列4気筒SOHC 総排気量(cc) 1750 ボア×ストローク(mm) 77.0×94.0 圧縮比 8.8:1 最高出力(ps/rpm) 97/5300 最大トルク(kg-m/rpm) 14.3/3500 変速比 1速2.047/2速1.370/3速0.969/ 最終減速比 3.105 ステアリング ラック&ピニオン サスペンション ストラット(前後とも) ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク タイヤ 175/70HR13(前後とも) 発売当時価格 178.4万円 初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部