こんなに吐き気がつらいのに、どの病院でも「異常なし!」 パニック障害と気づかぬまま4年が過ぎる【漫画の作者に聞く】
幸せに暮らしていたある日、突然激しい吐き気が!理由もわからず繰り返す発作〝オエオエ地獄〟に苦しむこと5年…その原因はパニック障害だった。富山在住のデザイナー・種(たね)さんが、自身の体験を描いた漫画「パニック徒然日誌」がSNSで反響を呼んでいる。 【漫画の本編を読む】検査では異常なし…何で? テーマは「そうだ、病院へ行こう」。漫画に込めた思いなどを著者に聞いてみた。 ■「そうだ、病院へ行こう」 最初の吐き気の発作から1年が経ち、症状も影を潜めつつあった。ところが、ある日友人とおしゃれなカフェで楽しく話していると、再び視界が歪み、強烈な吐き気が襲ってきた。原因不明の〝オエオエ地獄〟が再発したのだ! 種さんは病院で精密検査を決意。数日後、検査の結果を聞きに行った。ところが…。 検査の結果は「めちゃくちゃ健康です」。そんなはずはない!納得できない種さんはセカンドオピニオンを求めて複数の病院を訪ねるも、すべて「健康」「健康」…。結局原因を特定できないまま4年もの月日が流れていく。 ■「パニック障害」という病気に似ている、と一瞬思ったが… 謎の症状について、情報を探してはいた。「知人に聞いてもみんな首をかしげる状態だったので、ネットではめちゃくちゃ探しました。実はその時に『パニック障害』の事例と似ていることに気づいたのですが、『まさか、こんなファニーな名前の病気じゃないよね』と、完全にスルーしていました。それくらい、物事を深く考えないような性格なのです…」 元々身体は弱い方だという種さん。「むしろ、少し調子が悪いくらいでも気にしません(笑)。そんな私が無視できないほど、このパニック障害の発作はキツイです」 病院は3軒回ってすべて「異常なし」が出た時点で、心が折れてやめてしまった。「ただ、ややこしくなりそうで漫画には描いてないのですが、実は1軒目の血液検査で甲状腺の慢性疾患の『橋本病』が見つかったんです。後々読者の方から、パニック障害を患っている方は同時に、甲状腺の病気を患っている方が多いと教えてもらったのが、非常に印象的でした。何か関係があるのかな…」 ※本作で紹介している症状は、個人の体験談でありすべての人に当てはまるものではありません。似た症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため、閲覧にはご注意ください。 取材・文=折笠隆