「紫外線が白髪の原因に?」白髪や薄毛、抜け毛…髪にNGな習慣や摂るべき栄養素を医師が解説
第一印象を大きく左右すると言われる頭髪。いつまでも美しく保ちたいというのは誰しもの願うところですが、ヘアスタイルやツヤ以上に、年齢を重ねるにつれて悩みの種となるのが、白髪と薄毛です。その原因や進行を遅らせる方法、増やさないケア法は? 宋有奈先生(クリニックフォア新橋院)に聞きました。 【ビフォーアフター】「女の薄毛は隠したほうがいい…?」冷たい目のなか治療前・後でこんなに変わった30代女性 ■多くの女性が苦労する白髪、大きな原因は遺伝とストレス 30代中盤頃から、少しずつ増えていく白髪。年齢を重ねるとどんどん多くなり、白髪染めやケアに苦労している人も多いでしょう。そもそも白髪は、なぜできてしまうのでしょうか。 「主な理由は、メラノサイトという色素細胞がなくなってしまうことによってメラニンが生成できなくなり、色が入らなくなってしまうためです。髪の色はメラニンによって決まっています。例えば、日本人を含むアジア系の方に多い黒髪はメラニンの量が多いことに、欧米人などに多いブロンドはメラニンの量が少ないことに由来しています。白髪はメラニンがほとんどないことによって、作り出されてしまうんです。加齢とともに白髪が増えるのは、メラニン色素が作られにくくなるからだといわれています」 白髪になりやすいかどうかは遺伝的要素も関係するといわれていますが、もうひとつの大きな原因には「ストレス」があるそう。とくに10~20代に発症する“若白髪”は、遺伝的要因以上に、ストレスが原因であることが多いといいます。 「ストレスを受けると毛細血管が収縮してしまい、頭皮が血行不良に陥ります。するとメラニン色素が十分髪に行き届かず、白髪になってしまうと考えられています」 ドラマや小説で、心理的に多大な苦痛を受けた後、一夜にして髪が真っ白になったという描写がよくあります。現実ではそこまで一気に白髪になることはないにせよ、ストレスはとにかく髪に影響するということです。 ■ストレスと女性ホルモン現象で、更年期前後には薄毛の悩みも また、ストレスによって引き起こされるのは白髪だけではありません。「ストレスが続いて円形脱毛症になった」という人がいるように、薄毛や抜け毛にも多大な影響を及ぼしてしまいます。 「ストレスによって頭皮の血行が悪くなり、十分な栄養が髪に行き届かなくなると、ヘアサイクルが乱れて、抜け毛や薄毛を引き起こします。また、ストレスで自律神経のバランスが崩れるとホルモンバランスも崩れ、これも抜け毛や薄毛の原因になります」 薄毛や抜け毛というと、前頭部や頭頂部などが局所的に薄くなる男性型脱毛症(AGA)がよく知られていますが、実は女性にも起こる症状。女性の場合は、加齢によるヘアサイクルの変化に加え、ホルモンバランスや生活習慣の乱れが原因となり、全体的に少しずつ薄くなる「びまん性脱毛症」であることが特徴です。 「女性の場合、年齢を重ねるとともに女性ホルモンの濃度が下がって、髪の毛が細く軟らかくなります。髪の成長も遅くなり、抜ける量は増えるのに発毛量は減ってしまいます。さらに、更年期前後に女性ホルモンの分泌量が低下すると、相対的に男性ホルモンの濃度が高くなって、男性型脱毛症のAGAと同じメカニズムで薄毛が引き起こされます」