「24年夏ドラマ」“期待度ランキング”上位3作品、第1話は実際どうだった? 徹底レビュー
■期待度第2位『笑うマトリョーシカ』 櫻井翔の国民的人気を誇る若手政治家が当たり役
TBSの看板枠の1つともいえる「金曜ドラマ」内で放送中なのが、水川あさみが主演を務め、櫻井翔と玉山鉄二が共演するポリティカル・サスペンス『笑うマトリョーシカ』だ。 早見和真の同名小説を実写化した本作は、主人公の新聞記者・道上香苗(水川)が、国民的人気を誇る若手政治家・清家一郎(櫻井)と、彼の有能な秘書・鈴木俊哉(玉山)をめぐる深い闇を追うさまをスリリングに活写。キャストには水川、櫻井、玉山をはじめ、渡辺いっけい、筒井真理子、田辺桃子、真飛聖、高岡早紀ら実力派が名を連ねている。 第1話は、香苗の父で大手新聞社社会部の敏腕記者だった兼高が取材中に壮絶な交通事故に遭うシーンで幕を開ける。ショッキングなシーンで視聴者の目を奪うと、父の事故を不審に思い取材を開始した香苗の視点で、清家と鈴木にまつわる謎が次から次へと明るみになっていく。 視聴者の“考察欲”を刺激するストーリー展開もさることながら、本作の白眉はなんと言っても清家一郎を演じる櫻井の存在。紙に書かれた原稿や人から聞いた話を、自分の言葉として完璧に再現するという特殊な技能を持つ清家。国民的アイドルグループのメンバーとして、歌やダンスに演技、さらにキャスターとして、常に“完璧”であることを求められてきた櫻井が、人間離れした能力を持つ清家に説得力を与えている。本作が“俳優・櫻井翔”にとって代表作となることは間違いないだろう。 ※兼高の「高」は正確には「はしごだか」
■期待度第1位『青島くんはいじわる』 渡辺翔太が“モテ男”を体現!1話からキュンの波状攻撃
テレビ朝日のドラマ枠「オシドラサタデー」で放送中の『青島くんはいじわる』は、Snow Manの渡辺翔太と中村アンがダブル主演を務めるラブコメディ。 本作は吉井ユウによる同名コミックを実写化したドラマで、渡辺が演じるのは飲料メーカー「キャットビバレッジ」に中途入社したシステム部員・青島瑞樹。仕事ができる上にイケメンで、表向きは人当たりが良いため、女性社員の人気を独占しているものの、訳あって人と深く接することが苦手で、恋愛に興味がなく、女性との交際経験がないというキャラクターだ。そんな彼に1日限定の“彼氏役”として一緒に友人の結婚式に出席してほしいと申し出たのが、先輩社員の葛木雪乃(中村)。瑞樹は“ある思惑”から雪乃からの提案に応じることになる…。 第1話では、恋人同伴で友人の結婚式に出席する約束をしていた雪乃が、婚活アプリで出会った彼氏から突然別れを告げられるさまをコミカルに描いたシーンからスタート。序盤では、真面目で責任が強く、プライベートでは1人の時間を優先してきた彼女の日常がつづられる。 そんな彼女が1日限定の“彼氏役”を瑞樹に持ちかけたことから物語が一気に動き出す。社内でモテモテの瑞樹は女性を寄せ付けないために雪乃からの申し出を受け入れたよう。しかし瑞樹は雪乃に社内のエレベーターでふいに手を繋いでみたり、強引にショッピングに誘ったり、ラストシーンでは2人きりのオフィスでのキスシーンが描かれるなど、第1話から胸キュン描写が波状攻撃のように押し寄せる。 第2話以降、恋愛に興味がないという瑞樹の複雑な家庭事情が明らかになり、雪乃とも“役”を超えて関係性を築き上げる姿も描かれるはず。2人の主人公の人間的な成長や変化にも注目していきたい。(文:スズキヒロシ)