「通報者の探索、許されない」百条委で参考人弁護士 午後に斎藤知事が最後の証人尋問
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発した文書を巡り、告発内容の真偽や告発者を処分した県の対応を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)が25日、始まった。午前中は、公益通報制度に詳しい結城大輔弁護士が参考人として招致され、公益通報制度では「外部通報であっても通報者の探索行為は禁じられている」と説明した。 【写真】斎藤氏「ずっと一人ぼっち」雨中の演説で本音ポツリ 午後からは11月の知事選で再選後初めて斎藤氏が証人尋問に臨むほか、片山安孝元副知事も証人として出頭予定。告発文書を作成した県幹部の男性を公益通報者保護法の対象としなかったことや、斎藤氏のパワハラ疑惑などについて総括的に審議する。斎藤氏はこれまで匿名の告発者を特定し処分した対応については、問題ないとの説明を繰り返しており、最後となる証人尋問でどのような答弁をするのか注目される。 この日、結城弁護士は、公益通報者保護法の法定指針では、通報者の保護に関し「調査結果が出る前に不利益な扱いをすることは許されない」と指摘。「噂話や憶測を基にしているからといって、それだけで不正目的があるとは認定されない」とした。男性が事実無根の文書を作成したと認めていると、斎藤氏が言及した記者会見での発言について「事実上の不利益扱いに当たるような行為」と述べた。 百条委は、この日で証人尋問を終える見通し。来年の県議会2月定例会への提出を目指し、報告書をまとめる。 告発文書は3月に県西播磨県民局長だった男性が作成し、関係者に配布した。県の公益通報窓口にも通報したが、県は内部調査を進めた結果、文書を「誹謗中傷」と認定。男性は停職処分を受け、7月に死亡した。