【こんな人】中日１位金丸夢斗「グータッチ」元兵庫県高野連・審判員の父と野球で結ばれた“絆”
＜プロ野球ドラフト会議＞◇24日 4球団競合の末、交渉権を獲得した中日1位の関大・金丸夢斗投手（4年＝神港橘）は、22年間、兵庫・神戸市で育ち、父雄一さんとともに歩いた野球人生だった。 父は、16年間在籍した兵庫高野連の審判員を今夏に勇退。甲子園の熱戦の数々を従事した父を「熱い人」と評する。一方、わが子の試合を観戦する父の姿も熱い応援の力が伝わる。毎試合、うちわを片手に鋭いまなざしで視線が送られた。 少年時代から父とは長年「グータッチ」をルーティンにする。試合前や、練習日、自宅の出発前は、必ずグータッチを交わす。「（就寝前の）『おやすみ』もグータッチです（笑い）」。父は試合前に夢斗投手の同僚ともグータッチを交わし「今日も勝とな！」とパワーを送る。 登板後は、録画した試合映像を再生し、父とリビングで反省会がスタート。「『もうええで』ってぐらい、やってくれています。最近は『もう、公式戦の終わりも近づいてきたなぁ』と。僕と一緒ぐらいの思いでいて、自分のことのように、喜んだり悔しがってくれます」。就寝前は、父お手製のミックスジュースで疲れた体をリカバリーした。 マイペースを称する左腕に、闘争心を与えたのも父。中学時代に早朝ランニングを提案され、兄とともに走り込みを始めた。「（プロでの入寮に）お父さんは、めっちゃさみしくなると思います…。ほんまに（父と母）2人になるんで」。父が高野連審判の勇退理由の1つに、わが子の応援優先が強くあった。次なる父の生きがいは、プロで夢斗投手の登板を観戦すること。「もし1軍で投げるときがあれば、見に来てくれると思います」。飛躍を願う父に、必ず夢を届ける。【中島麗】
