新紙幣で苦渋の値上げ…券売機の対応費用が重荷 「食材や光熱費の高騰と重なり大きな痛手」 静岡
これまで入浴や食事の際に貯めていたポイントが、新しい券売機に対応した会員カードに引き継げないことがわかったのだ。 これを受け、施設では6月10日までのポイントの引換を呼びかけていた。
あおい温泉 草薙の湯・木村豊明マネージャー: とても歯がゆい部分は正直あります。今まで長い間ご愛顧いただきましたので、それが次のサービスに引き継げないとなると、お客様に長い間使っていただいたサービスがなくなってしまうということなので、とても申し訳ない気持ちです
思わぬ出費に苦渋の値上げ
券売機を交換するにあたり、困惑する声は他にもある。 大きな炙りチャーシューが乗った「魚介豚骨ラーメン」が一番人気のラーメン店「まるさ商店」。 このラーメン店でも券売機は欠かせないが、新しい券売機を購入するのではなく新紙幣に対応したユニットに付け替える予定だ。
今の券売機は60万円ほどで購入した中古品だが、電子マネー対応の新機種に買い替えると200万円以上かかるという。対応ユニットの付け替えでも50万円ほどかかり、「食材や光熱費の高騰と重なり大きな痛手」と嘆く。 まるさ商店・佐藤健二 店長: (物価高騰に)追い打ちをかけての新札の交換で出費が痛い。それに合わせて値上げを検討していて、お客様には迷惑をおかけすると思いますけど、そういう形で対応していきたい
「旧紙幣は使えない」は詐欺
私たちの生活に大きな影響を及ぼす新紙幣の発行だが、こうしたタイミングに乗じた詐欺被害も心配される。 静岡県警によると、財務省の職員や銀行員になりすまし「新紙幣導入に伴って古い紙幣が使えなくなるから回収する必要がある」「古いキャッシュカードだと新紙幣に対応できなくなるので新しいキャッシュカードに変えなければならない」などといった手口の詐欺が予想されるという。 静岡県内では、これまでに新紙幣をめぐっての詐欺被害や不審な電話は確認されていないが注意が必要だ。
静岡県警生活安全企画課 増田修 次席: 新紙幣に変更されたからといって古い紙幣が使えなくなることはないので、電話で紙幣やお金といったキーワードが出てきたら、まず詐欺を疑ってほしい 20年ぶりの新紙幣の発行に向けて着々と準備が進められる中、こうした機会を悪用した詐欺の手口にだまされないよう警戒が必要だろう。
テレビ静岡