自転車で南極点到達の会社員 今度はミャンマー自転車旅へ
チケット購入後に妻へミャンマー行き告白。後の反応は?
ただ、大島さんは妻子のある身。南極へ行った時もそうだったが、いくら自転車旅行に慣れているとはいえ、奥さんは心配していたに違いない。 なにせ南極の旅から約半年。大島さんはチケットを購入後、自宅に戻ってきた奥さんの足音を聞くと、玄関で待ち構え、ドアが開いた瞬間、どこからともなく湧き上がる罪悪感から「すみませんでした」と何度も土下座で謝ったという。 奥さんは、キョトンとした表情で「何を何度もあやまっているんですか?」と大島さんに聞き、事情を知ると「お金はどうするんですか?」と少し困惑気味に答えたという。だが、大島さんは臨時収入のことを話し、返済に影響がないことを説明。すると、奥さんは、しぶしぶだが理解の上、前回同様、笑顔で応援してくれることになった。
昔ながらの世界が広がる今のミャンマー見ておきたい
今回は北部にある「マンダレー」を出発し、南へ下りながら「バガン」「ピュー」といった昔の都めぐりを楽しみながら10日ほどかけて走る予定で、距離は約1000キロほどになる見込みだという。 だが、何も考えずに安いチケットを取り計画を立てたわけだが、ひとつ誤算もあった。それは、現在、同国が「雨季」であることで、「これが安さの理由だったのか」と最近気づいたことだという。 「これからミャンマーは変わっていくと思うんですが、昔ながらの世界が広がる『今』の様子をしっかり見てきたい、本当のミャンマーを見ておきたいと思うんです。10年もたてば、きっと変わるでしょうから」。自転車は普段、神戸で使っているもので、サドルのあたりに地元の駅駐輪場利用シールが張ってあるのがよく目立つ。 半年前の寒い世界とは一転、雨季のミャンマーでは、どんな旅が大島さんを待っているのだろうか。だが、大島さんは「好奇心がとまらない」そうだ。 ■大島義史(おおしま・よしふみ)1984年広島県生まれ。学生時代から自転車の旅に魅せられ、社会人になった後も有給休暇を取って自転車で世界を駆け巡る。長年にわたり会社や家族と話し合い、2015年12月に有給休暇を取って自転車で南極点へ行く旅に挑み、2016年1月に南極点へ到達を果たす。同月帰国後は間もなく職場へ復帰した。神戸市在住の会社員。インタビューでは「僕は冒険家じゃない、サラリーマンですから」と答えている。