銅製の折り鶴 箕牧さんがノーベル平和賞授賞式に持参 高校生が平和への思い込め製作
広島ニュースTSS
ノーベル平和賞の授賞式に出席する日本被団協代表委員の箕牧智之さんが、現地にもっていきたいとして広島市の高校生に制作を依頼した銅製の折り鶴があります。 このほど完成し、27日、箕牧さんに手渡されました。 折り鶴に込めた思いを取材しました。 (今月18日) 広島市立広島みらい創生高校。 夕方、教室で折り鶴の制作に取り組んでいたのは、沢田和則先生と4年の桑元陽さん、3年の白井翔希さんです。 【沢田先生】 「銅板になりますね」 Q:厚さは何ミリ位? 「これは0.1mmを使ってます。前、ローマ教皇に渡したときは0.3から0.35mmの銅板を使わせてもらった」 今年のノーベル平和賞の受賞が決まった日本被団協の代表委員を務める箕牧智之さんが現地での授賞式に携えたいとして、先月中旬、沢田先生に銅製の折り鶴の制作を依頼していました。 およそ9センチ四方の銅板に折り目をつけて、丁寧に鶴を折っていきます。 沢田先生は前任の工業高校時代に広島を訪れたローマ教皇フランシスコに贈った銅製の鶴の制作を行った他、箕牧さんからの依頼も何度かうけていました。 しかし、今回はこれまでとは違った重みを感じています。 【沢田和則先生】 「喜ぶだけじゃなくてなんか発信しなければいけない。で、私が教員として何ができるか、そしたらもう高校生にこれを教えていってどんどん平和が広がってくれればいいかなと」 みらい創生高校では初めて、生徒に制作に携わってもらいました。 厚さ0.1mmの銅板の扱いに生徒たちも慎重にならざるを得ません。 【4年・桑元陽さん】 「薄いし結構力も入れるんで、ちょっと間違ったら穴が開く」 Q:ノーベル平和賞を被団協が受賞したというニュースはどんな風に受け止めました? 「原爆が落ちて80年ぐらいもう経つけど、このタイミングで受賞して歴史を風化させないためにも結構大きなことだったと」 そして、27日。 【被団協・箕牧智之代表】 「ありがとう、よく作ってくれたね。ありがとう」 およそ1カ月かけて制作した折り鶴を箕牧さんに手渡しました。 鶴はアクリルの箱に3羽ずつ入れられ、合わせて5箱を贈呈しました。 【4年・桑元陽さん】 「本当にノルウェーに行くんだなって実感して頑張って作ってよかったなっと思ってます」 【3年・白井翔希さん】 「これを手にしてもらって被爆についてよく知ってもらって、今やっている戦争とかが少しでも良い方向に進んでもらったならと思っています」 【被団協・箕牧智之代表】 「いつ核兵器が使われるかも分からんような今非常に危機になっている。そういう時にこれは平和のシンボル。日本被団協をノーベル賞受賞者の対象にしてくれるからには世界中がやっぱり平和であってほしい」 生徒たちの思いも込められた銅製の折り鶴。 箕牧さんは来月、オスロでノーベル委員会の委員長やノルウェー王室に贈りたいとしています。
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