小倉智昭さんが7月の〝最後の公の場〟で自虐発言連発「先がどのくらいあるか分からないからさ~」
がん闘病中の大物司会者・小倉智昭さんが9日に死去したことが10日分かった。享年77。報道陣の前に最後に姿を見せたのは、今年7月18日。東京・六本木ヒルズで開催を翌日に控えた「ポール・マッカートニー写真展」の特別内覧会だった。 【写真】21年前… 在りし日の小倉智昭さん 内覧後に囲み取材。闘病中わざわざ出向いてくれた小倉さんを、関係者らは拍手で出迎えた。「こんにちわ。ここ立っていいんですか? よろしくお願いします」と、本人は恐縮気味。長年MCを務めたフジテレビ平日朝の生情報番組「とくダネ!」で共演した渡辺和洋アナを報道陣の中に見付けると「あ、ナベそこにいんの?」と声を掛けた。 聞き手を任された渡辺アナは「小倉さん、まずは元気ですか?」と質問。「うん、あのねぇ。余命宣告どうのって言われた割には治療がうまくいってて、今のとこ悪いとこもなくね、元気でみんなに嫌がられてますよ」と小倉さんは冗談を交えて答えた。 渡辺アナによると、ポールファンの小倉さんは展示を1枚1枚じっくり見ていたといい、感想を聞かれると「面白いですね」。ポールには単独インタビューを「何回もしましたね」、その人柄については「素敵な人ですよね。で、彼にとっては嫌なことを質問してもストレートにきちんと答えてくれるしね」と明かした。 一番印象に残っているのは「『ポールは楽譜読めないってホントですか?』っていう話をしたら、きちっと『いや、僕は楽譜読めない』と。それを自分がピアノだとかギターだとかで曲を作ったりメロディーを吹き込んで、それをちゃんと譜面で起こしてくれるスタッフがいるんだなんてことを教えてくれましたけどね」と答えた。 包み隠さずというポールの人柄は、展示写真にも「出てますよね」と語る小倉さん。展示写真のパネルを買えると説明し、「結構いいお値段ですよ~。でも、僕なんか欲しいと思うけどね、う~ん。ベタ焼の6枚セットっていうのがあるんですよね。値段見たらちょっと引いちゃいましたけど、でも〝買いたいなぁ〟と思いましたね」と本音を明かした。 渡辺アナから「(購入の)申し込みはされ(た)…?」と振られると「いや、俺、先がどのくらいあるか分からないからさ~」とまた、自虐気味に返した。ただ8分弱の囲み取材中、マイク越しの声は通り、足取りもしっかりしていて、血色はよく、頬もお腹もふくよかで、同業者前では元気に健在ぶりを見せていたのだが…。 この日スペシャルゲストで招かれた、ポールファンのタレント・ハリー杉山(39)は、10日午前に自身のインスタグラムを更新。「小倉さん、寂しいです!目をキラキラさせながら、漲るエネルギーでオリンピックやビートルズのレコードの話をしてくださったのは忘れません。マラソンも小倉さんが言ってた補強トレーニングをサボらず、晩年の膝の為にちゃんと時間を投資しますね。〝常に勝負〟その言葉を胸に刻んで、毎日進みます」と、小倉さんとのツーショットを投稿した。
東スポWEB