働き方指南のプロ・田中美和さんが教える、自己分析メソッド。気づいていない「強み」が見えてくる
キャリアや経歴よりも大切な「自己分析」のポイント
田中さんが指摘するように、慌ただしい日常のなかで、まだ気づいていない自分の強みを発見するのは難しいもの。一体どうすればよいのでしょうか。 ファーストステップは「自己分析」。特に注目すべきは表面的なキャリアや経歴ではなく、自分自身の内側だと言います。 「内的な個性・特性・資質に着目するのがポイントです。 新しいことに取り組むのが好き、知的好奇心が旺盛、といった自分の内なる部分を捉えていくと、より本質的な強みが見えてきます」 自分を深く知るためには、「仕事観」の把握も重要です。仕事に何を求めるかという価値観は人によってさまざまで、経営者になりたい人もいれば、仕事以外の「ライフ」とのバランスを大事にする人もいます。 そう考えると自分らしく生きるためには、「必ずしも好きを仕事にする必要はない」と田中さんは語ります。それよりも自分自身の価値観に意識的になることのほうが大切なのです。
ライフラインチャートで「充実度」を振り返る
田中さんは、より具体的なメソッドとして、人生の充実度を振り返る「ライフラインチャート」をつくる、という方法を提案しています。 ライフラインチャートとは、横軸に年齢、縦軸に当時の充実度を入れ、上がり下がりを折れ線グラフで表していく自己分析ツール。人生の充実していた時期や、逆に充実していなかった時期を振り返ることで、自分自身の価値観や「自分らしさ」に気づくことができます。 「充実している時期というのは、自分らしさを発揮できているとき。自分がワクワクする、楽しいと感じるのはどういうときなのかを考えて、そこに共通するキーワードを探っていきましょう。 そのキーワードをしっかり再現していくことが、充実感やモチベーションの維持につながります」 こうした「自分の振り返り」は、就活のとき以来という人も多いはず。「社会人になっても自己分析は必要であり、これからの仕事と人生を考えるヒントになる」と、田中さんは語ります。 「ライフラインチャート」の書き方や、チャートを使った分析の実例は『Live My Life 自分らしく働くための 39のヒント』に詳しく紹介されています。ぜひ参考にしてみてください。