覚醒した岡崎が狙う次の位置
愚直に、貪欲に。 見つめる先には現状の2列目右サイドに加えて、ワントップで勝負したいという野望も抱いている。前回のW杯南アフリカ大会の直前までワントップを務めながら、列強国相手になるとゴールパターンの乏しさもあってまったく通用せず、本職ではない本田にポジションを奪われた悔しさは一度たりとも忘れたことがない。3年前の自分を、岡崎はようやく冷静に分析できるようになった。 「あの時は誰のせいでもなく、自分が勝手にワントップというプレッシャーに負けていた。今は相手に何回やられようとも、絶対に前線で闘ってやるという選手になりたいと思っている。どんなに苦しいボールでもマイボールにしたり、相手のファウルをもらったりして。右サイドをやりながら、心の中でずっとそう思ってきたので」 国際Aマッチで通算35ゴールをマークしている自分自身を「遅咲き」と謙虚に自己評価し、今現在が何分咲きかも「よく分からないっす」と屈託なく笑う28歳。今回のコンフェデレーションズカップがきっかけとなり、岡崎の中の「ストライカー」という部分がより大きな比重を持つまでに成長した時に、日本代表の攻撃陣に新たなるパワーが宿る。 (文責・藤江直人/論スポ)